2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25800036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 能文 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (60549294)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 収束群作用 / 双曲群 / 相対的双曲群 |
Research Abstract |
収束群作用に対して, 幾何学的有限な収束群作用との近さを表す尺度である深度という量を導入し研究している. 今年度は以下の二点について研究した. 1. 深度が有限である収束群作用を許容する連結な空間の局所連結性:有限生成クライン群の極限集合に対して, 連結性から局所連結性が従うことがMjにより示されている. 同様の事実がクライン群の極限集合への作用の一般化である収束群作用に対して成り立つか問うことは自然である. 今年度の研究では, 理想境界が連結であるグロモフ双曲群に対して, その群の収束群作用であって深度が有限であるものを許容する連結な空間が局所連結であることを確かめた. 一方, グロモフ境界が連結でないグロモフ双曲群の典型例である自由群に対して同様の事実が成立するかどうか明らかにすることは来年度以降の課題である. 2. 深度が有限である収束群作用のグロモフ双曲空間の理想境界への作用としての実現可能性:「任意の収束群作用があるグロモフ双曲空間への等長作用の理想境界への拡張として得られるか」という問を深度1の収束群作用について考察した. 深度1の収束群作用は幾何学的有限な収束群作用の逆極限として得られ, 幾何学的有限な収束群作用はグロモフ双曲空間への等長作用の理想境界への拡張として得られることが知られている. 今年度の研究では, もとの深度1の収束群作用がこれらのグロモフ双曲空間のグロモフ‐ハウスドルフ極限への等長作用の理想境界への拡張としては得られないことを確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自由群の収束群作用の例として研究目的を達成するために有効なものが想定していたほど得られなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画で述べたように, 様々な深度の収束群作用の構成及び深度が有限である収束群作用の性質の研究を行う. その過程で有用であると想定される「力学系的条件による収束群作用の深度の評価」についても研究計画には明示されていないが取り組む. 具体的には, 幾何学的有限な収束群作用が任意の点が円錐的極限点か有界放物的点であることにより特徴づけられることの類似を想定している.
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