2013 Fiscal Year Research-status Report
Knot theory and algebraic combinatorics
Project/Area Number |
25800037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
KALMAN Tamas 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (00534041)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 低次元トポロジー / 結び目理論 / 代数組み合わせ論 |
Research Abstract |
2013年度の研究成果として、まずAlexander Postnikov との交代結び目についての共同研究がある。既にPostnikov教授とのこれまでの研究のうち、われわれが数年前に作り上げた"abstract duality conjecture"の証明を、2013年度の研究によって完全に終えたことが挙げられる。この証明により、ある Floer ホモロジー群から交代結び目の Homfly 多項式の、ある係数を引き出すことが可能となるわけである。この成果は、当該研究者の過去五年間の研究において、中心的な目標でもあった。今回、それが達成できたということは、研究全体の経過がおおむね順調であることをも意味している。Postnikov教授との一連の研究成果は、“Polynomial invariants of bipartite graphs and hypergraphs”と“Computing Homfly coefficients from Floer homology”という題目で、2014年1月に MIT 、それからボストン Collegeで研究発表を行った。その際に、同じ分野の研究者とさまざまに討議をかわし、更なる助言や示唆に富むコメントを得たとともに、彼らからは大変高く評価された。また、2013年度中に2本の論文が受理された。そのうちの1本は既にAdv.Math.に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前掲の要旨の箇所で述べた通り、Alexander Postnikov との共同研究において数年前に作り上げた"abstract duality conjecture"の証明を終えたことにより、Floer ホモロジー群から交代結び目の Homfly 多項式のある係数を引き出すことが可能となった。この証明の完結は、当該研究者の過去五年間の研究における中心的な目標であったため、それが達成できたことは研究経過が順調であることを意味している。その成果を2014年1月に MIT とボストンCollegeで発表したところ、同じ分野の研究者たちから大変高く評価された。その意味でも、研究は順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度の研究成果は、当該研究計画において重要な局面を一つ終えたことを意味している。つまり、これによって新たに以下の疑問に答えるべく研究を継続して行くことが可能となってきた。その疑問とは、まず、交代結び目の Homfly 多項式の中にある他の係数やその他の不変量はどうであろうか、それらは Floer ホモロジーから導きだすことができるのか、という点である。ここで組み合わせ論が役に立つと期待できる。さらに、交代でない結び目の場合にはどうであろうか、という点も挙げられる。こうした疑問については、組み合わせ論について言及せずとも、交代結び目の結果の一部を改良し、一般化することで答えられるのではないかと考え、今後の計画として実行していく予定である。
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