2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25800043
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
門田 直之 大阪電気通信大学, 工学部, 講師 (60611986)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Lefschetz fibration / 写像類群 / 安定交換子長 |
Outline of Annual Research Achievements |
Lefschetz fibrationや4次元シンプレクティック多様体の地誌学問題を大雑把に述べると, それらから定まるある2種類の不変量a,b(aは第1チャーン数, bは正則オイラー数など)の分布を調べる問題である. 4次元多様体の交差形式を対角化したときの正の固有値の個数をcとおくと. 当該年度では, c=1という最も簡単な条件をつけて, a=1,2であるようなLefschetz fibrationや4次元シンプレクティック多様体の構成に臨んだ. c=1でa=0の場合はすでに良く知られていたため, a=1,2を調べることが次の目標になる. 当該年度は, アフメドフ氏(ミネソタ大学)との共同研究により, 基本群がZ/n,単連結でc=1,a=1,2であるような種数2のLefschetz fibrationの構造を持つ4次元シンプレクティック多様体を構成した. Lefschetz fibarationの構成は, 写像類群の関係式を構成することと対応している. ここで得られた技術を写像類群の安定交換子長の問題の解決に応用するというのが, 研究目的の1つであった. 非分離的単純閉曲線に沿うDehn tiwstの安定交換子長の"良い"上界は与えられていたが, 分離的単純閉曲線の場合の"良い"上界は知られていなかった. 当該年度では, これまでに得られた関係式を変形する技術を生かし, 分離的単純閉曲線に沿うDehn twistの安定交換子長の良い上界を与えた. これは吉原和也氏(九州大学)との共同研究である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Lefschetz fibrationや4次元シンプレクティック多様体の地誌学問題, 写像類群の安定交換子長に関する問題について, いくつか結果を得ることができた. これは目指していた結果に含まれており, その意味では成功した部分もあるといえる. ただし, BMY不等式を満たさない4次元シンプレクティック多様体の構成など、達成し得なかった部分もいくつかあることから, 順調とまでは言い切れない. よって、やや遅れている、を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
上記のアフメドフ氏との共同研究に関する結果とこれまでの結果の一般化を目指す. 特に, Noether不等式を満たさない4次元シンプレクティック多様体に入るLefschetz fibrationの構成を目指す. これは4次元シンプレクティック多様体の地誌学問題に関連する取り組みである. 構成にはGurtas氏の例を"上手く"ファイバー和し, 有理ブローダウンを施せるようなものを作る. 得られた例に有理ブローダウンを施せば, 要求される例を構成することができる.
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Causes of Carryover |
2016年4月17日~22日に海外出張(ノースダコタ大学で開かれるアメリカ数学学会の特別セッションでの講演とアフメドフ氏(ミネソタ大学)との研究打ち合わせ)を予定しており, その旅費として使うため残しておいた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の海外出張で全額を使用する.
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