2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25800065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
岡安 類 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70362746)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | von Neumann 環 |
Research Abstract |
1979年の論文で, Haagerup は自由群の被約 C*-環が Grothendieck の metric approximation property を示した。その証明途中で実質的に示されている性質を現在では Haagerup approximation property と呼び, その概念は一般の局所コンパクト群にまで拡張され, 多くの応用があることもわかっている。 1983年の論文で, Choda は有限 von Neumann 環にトレースを使って Haagerup approximation property を定義し, 離散群とその群 von Neumann 環がそれぞれの意味で Haagerup approximation property を持つことが同値であることを示した。その後, 多くの研究者によって研究されてきたが, トレースがあるとは限らない一般の von Neumann 環についてどのように定義すべきがという問題があった。特に近年では, 量子群の Haagerup approximation property が活発に研究され、一般の von Neumann 環の Haagerup approximation property を定義する必要性が増していた。 私は、北海道大学の戸松玲治准教授と共同でこの問題に取り組み, von Neumann 環の標準形を用いることにより, 任意の von Neumann 環に対して, Haagerup approximation property の定義を与えることができた。またこの性質は多くの基本的な操作に対して良い振る舞いをすることがわかった。特に, 従順群による接合積はこの性質と大変相性がよい。この結果を用いると, 同時期にヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学の Martijn Caspers とワルシャワ大学の Adam Skalski の別のアプローチによる Haagerup approximation property の定義と実は同値であることが導かれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長い間の未解決問題であった任意の von Neumann 環の Haagerup approximation property の定義を与えることができ, 期待される遺伝性に関する結果をすべて証明することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
M. Caspers と A. Skalski により独立に与えられた von Neumann 環の Haagerup approximation property との同値性について, 接合積の議論を用いずに直接的な証明を与えられるべきだと考える。戦略として, 1974年の論文で京都大学名誉教授の荒木不二洋によって与えられた正錐が重要な役割を果たすと考える。
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Research Products
(3 results)