2014 Fiscal Year Annual Research Report
保存則方程式系における一意可解性問題についての研究
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25800075
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
應和 宏樹 新潟大学, 自然科学系, 助教 (10549158)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 実解析 / 保存則方程式 / 非線形現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,1次元n×n保存則方程式系の初期値問題の解の存在についての研究を行い,さらに,その解の一意性についての研究を行うための準備として,ある区分的に線形な不連続関数の性質について考察し,その不連続のクラスの分類を試みた.本年度に得られた研究成果は以下の通りである. 前年度に得られた研究成果を拡張することで,より一般の区分的に線形な不連続関数について考察し,その不連続のクラスの分類を試みることで,その関数の周期的な性質に関する結果を得た(現在,投稿中).一般的に,区分的に線形な不連続関数は非線形微分方程式の解の近似理論において重要な役割を担っており,保存則方程式系においても例外ではない.実際,1次元n×n保存則方程式系の初期値問題の可解性を示す方法の1つとして有名であるA. Bressan (1992), N. H. Risebro (1993)による波面追跡法(the wave-front tracking method)においても区分的に線形(定数)な不連続関数は重要な役割を担っている.波面追跡法では,区分的に線形(定数)な不連続関数を用いて近似解を構成し,その近似解の部分列を(厳密)解に収束させるため,近似解の部分列の構成の仕方によっては収束先が一意ではない可能性がある.このような可能性を排除し,1次元n×n保存則方程式系の初期値問題の解の一意性を示す足掛かりを得るためには,区分的に線形な不連続関数の性質について考察し,その不連続のクラスを分類する必要性がある.
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