2014 Fiscal Year Research-status Report
緩和項を持つ偏微分方程式の消散構造の研究と安定性解析への応用
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25800078
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
上田 好寛 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (50534856)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 安定性解析 / 漸近安定性 / 可微分性の損失 / 非線形構造 / 双曲型方程式系 / 定常問題 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、気体力学から導出される非線形偏微分方程式に関する数学解析を主な目的としており、特に一般の対称双曲型方程式系や、その具体例となるEuuler-Maxwell方程式系、更にはCattaneoの法則を考慮した弾性体の方程式系などを取り上げて研究を行ってきた。特に、消散構造から導かれる安定性理論について着目し、解析を進めている。
近年、Euler-Maxwell方程式系やTimoshenko方程式系などに現れる「可微分性の損失」と呼ばれる現象について解析を行っており、平衡点周りの非線形安定性解析に関しては自身により一定の結果を導いている。このような背景の下、前年度より「可微分性の損失」を起こすような方程式に現れる定常解の安定性解析について研究を行ってきた。その結果、定常解の安定性に関してもある種の解析手法の構築に成功しており、これらを論文にまとめて投稿する予定である。
また、上記の研究成果を携えて、学会等での研究発表も積極的に行った。本年度の研究発表回数は、海外発表９回、招待講演11回となり、例年と比べて海外での発表を活発に行っている。さらに、研究集会の場では様々な意見交換がなされ、今後の研究のための大きな知見を得ることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は前年度に引き続き、Euler-Maxwell方程式系に現れる定常解の安定性解析を基に、Cattaneoの法則を考慮したPalate方程式の解析など多岐にわたる方程式の解析を行っている。
また、これらの研究により、自身の一般論に関する既知の結果の更なる細密化に関する方針が立ちつつあり、来年度にむけての大きな方針が立てられている。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方針として以下を予定している。ひとつめは、Cattaneoの法則を考慮したPlate方程式の安定性解析である。本方程式は、これまでに研究してきたEuler-Maxwell方程式系などと比べて、より一般の枠組みに含まれる方程式系であり、「可微分性の損失」が引き起こされることからも、一般論の構築のための最良の具体例と言える。よって、本方程式に関して詳細な解析を続けて行っていく。
ふたつめとして、これらの方程式の解析を基に、一般論の精密化について考察する。本課題は大きな困難が予想されるため、対象となる物理モデルを模索しつつ研究を遂行していく予定である。
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| Causes of Carryover |
今年度は、共同研究者より旅費の援助を頂いたため、予定よりも使用額が少なくなったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、既に数回の海外での招待講演の機会を頂いているので、発表のための旅費に使用する予定である。
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