2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25800125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 英斉 東京大学, 大学院理学系研究科, 講師 (30376529)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 宇宙核物理 / 原子核クラスター / RIビーム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度にはビーム作成テスト実験を行い、酸素-15不安定核ビームをCRIB施設において初めて生成することに成功していたが、平成26年度には、そのテスト実験の解析を進め、最終実験において有意義な結果が得られる見通しの裏付けが得られた。 テスト実験の結果に基づき、本研究で当初より計画していた酸素-15+α実験に加え、やはり宇宙核物理とクラスターの両面から興味深い研究テーマとして、ネオン-18+α実験の提案書を新規に作成し、施設の助言委員会に提出した。この2つの実験研究は平成26年度の理化学研究所-東大原子核センターの共同助言委員会において正式に認められた。加速器施設が平成26年度後半に運用費用の問題を抱え、あまり機能しなかった事もあり、酸素-15+αの最終実験の実行は当初の予定より遅れることとなった。しかし、平成27年度秋に加速器利用時間の割り当てをスケジュールすることができた。最終実験に向けて、真空チェンバーや検出器の準備を進めている。 また、原子核クラスターの興味から別途に提案していたベリリウム-10+α実験も、ビッグバン初期の元素合成と関連する可能性が最近の理論研究によって示唆されている。本研究の枠組みの中で新しい成果を出したいと考えている。 本研究の成果について、国際会議ARIS2014(東京)、第1回シチリア-東アジアワークショップ(イタリア)、ISPUN14(ベトナム)などで国際的に発表を行った。酸素-15+α実験には海外の研究者から多くの参加希望者が現れ、我々の研究に興味が持たれていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
加速器の実験提案の承認の手続きが想定していたより時間がかかった事と、施設の運用費の問題から、当初の予定より実験を行う時期が遅くなってしまった。 しかし、来年度中には加速器実験を完了し、その結果に基づいた物理的結果をある程度発表できる見通しである。
一方で、本研究の主要目的として掲げた、新分野の創設については、既に新分野に属する3つの研究テーマが国際的な協力関係において進行しており、期待していたより早い速度での広がりを見せている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、2つの加速器実験、酸素-15+α実験とベリリウム-10+α実験を完了させることが大きな達成目標となる。両実験はこれまでのテスト実験やシミュレーションなどで解析の方針の目途がついており、測定が完了すれば速やかに解析を進めることができると考えている。年度中に完全に解析を終えるのは難しいかもしれないが、実験結果に基づいた成果をある程度発表できる見通しである。
一方で、当初計画していた(6Li,d)実験は、検討を重ねた結果、ビーム強度が不十分で有意義な研究ができなくなる可能性が出てきた。現時点においては、α共鳴散乱をより発展させて多くの成果を出すことがより有意義と考えられるので、そのような方針で進めていきたい。
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Causes of Carryover |
当初の計画から加速器実験実施時期が遅れたこともあり、科研費を実験時期により有効に利用するために、少額ながら次年度に回した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験における消耗品(標的用金属フォイル)などに充てる計画である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Alpha resonant scattering for astrophysical reaction studies2014
Author(s)
H. Yamaguchi, D. Kahl, T. Nakao, Y. Wakabayashi, S. Kubano, T. Hashimoto, S. Hayakawa, T. Kawabata, N. Iwasa, T. Teranishi, Y. K. Kwon, D. N. Binh, L. H. Khiem, N. G. Duy
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Journal Title
AIP Conference Proceedings
Volume: 1594
Pages: 220-225
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Examination of the role of the 14O(α, p)17F reaction rate in type-I x-ray bursts2014
Author(s)
J. Hu, J. J. He, A. Parikh, S. W. Xu, H. Yamaguchi, D. Kahl, P. Ma, J. Su, H. W . Wang, T. Nakao, Y. Wakabayashi, T. Teranishi, K. I. Hahn, J. Y. Moon, H. S. Jung, T. Hashimoto, A. A. Chen, D. Irvine, C. S. Lee, and S. Kubono
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Journal Title
Phys. Rev. C
Volume: 90
Pages: 025803 (7p)
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Elastic scattering of 25Al+p to explore the resonance structure in 26Si2014
Author(s)
H. S. Jung, C. S. Lee, Y. K. Kwon, J. Y. Moon, J. H. Lee, C. C. Yun, M. J. Kim, T. Hashimoto, H. Yamaguchi, D. Kahl, S. Kubono, Y. Wakabayashi, Y. Togano, S. Choi, Y. H. Kim, Y. K. Kim, J. S. Park, E. J. Kim, C.-B. Moon, T. Teranishi, N. Iwasa, T. Yamada, S. Kato, S. Cherubini, S. Hayakawa, G. G. Rapisarda
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Journal Title
Phys. Rev. C
Volume: 90
Pages: 035805 (8p)
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Nuclear clusters studied with alpha resonant scatterings using RI beams at CRIB2014
Author(s)
H. Yamaguchi, D. Kahl, T. Nakao, Y. Wakabayashi, T. Hashimoto, S. Hayakawa, T. Kawabata, T. Teranishi, Y.K. Kwon8, D.N. Binh, L.H. Khiem, N.N. Duy, S. Kubono, T. Suhara, Y. Kanada-En'yo, J.Y. Moon, A. Kim, N. Iwasa, P.S. Lee, K.Y. Chae, S.M. Cha, M.S. Gwak, D.H. Kim and E. Milman,
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Journal Title
Journal of Physics: Conference Series
Volume: 569
Pages: 012149 (6p)
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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