2013 Fiscal Year Research-status Report
SeaQuest実験における陽子内の反クォーク分布量の絶対値の測定
Project/Area Number |
25800133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 健一 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (20525779)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 陽子 / 反クォーク分布 / Drell-Yan 反応 / SeaQuest 実験 / ビーム強度測定器 |
Research Abstract |
平成25年11月にフェルミ国立加速器研究所 (FNAL) から SeaQuest 実験へ陽子ビームが供給され始め、SeaQuest 実験は物理データを収集する為のビーム実験を開始した。先ず強度の低いビームを用いて検出器の各部分 (トリガー, データ収集系, ホドスコープ, ワイヤーチェンバー) を調整した。これは、本研究を含む SeaQuest 実験の全ての研究目的にとって必要なステップである。 本研究を遂行する上で特に重要なのはビーム強度の精密測定である。平成24年3-4月のテスト実験に基づいて検討を重ね、2台の装置を組み合わせてビーム強度を測定する事にした。一つはビーム強度の相対値を高速 (20 nsec ごとの時間変動) に測定する装置であり、もう一つは絶対値を低速 (5 sec 内の積分値) に測定する装置である。 相対値測定器の製作を平成25年11月に完了し、実験全体のデータ収集システムと連動したデータ読出を平成26年1月に実装した。 絶対値測定器の設計を平成25年10月に完了し、主要部分 (ビーム電流検知部, 信号増幅器) を平成26年1月までに製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに進展している。絶対値測定器をビームラインに取り付けてデータ読出を実装するという作業が未完了である。これは、ビーム強度の安定性および実験ホールの放射線量に関する問題を対処していた為である。 相対値測定器を用いてビーム強度を測定したところ、ビーム強度の時間変動が想定よりも大きいという問題が明らかになった。変動が大きいと物理データ収集自体が困難になるので、加速器運転グループと協力してビーム強度の安定化を行なった。 相対値測定器をビームラインに取り付けた時に、実験ホールの放射線量が想定以上に増加するという問題が発生した。相対値測定器の一部が放射線量増加の原因である事を特定し、取り付け位置を調整する事で解決した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年5月中に絶対値測定器をビームラインに取り付ける。放射線量が増加するという問題を再発させない様に取り付け位置を検討中である。 取り付け位置が決まったら、そこでの温度変化、残留磁場、読出回路ノイズを実測し、それを遮蔽・監視するシステムを測定器に組み込む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
絶対値測定器のビームライン取り付け位置が未定のため、温度変化、残留磁場、読出回路ノイズを遮蔽・監視するシステムを製作できない。 平成26年5月までに取り付け位置を決定し、システムの設計と製作を開始する。
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Research Products
(8 results)