2014 Fiscal Year Research-status Report
SeaQuest実験における陽子内の反クォーク分布量の絶対値の測定
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25800133
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 健一 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (20525779)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 陽子 / 反クォーク分布 / Drell-Yan 反応 / SeaQuest 実験 / ビーム強度測定器 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェルミ国立加速器研究所 (FNAL) から SeaQuest 実験へ平成25年11月~平成26年8月に陽子ビームが供給され、SeaQuest 実験は物理データを収集した。加速器のメンテナンス期間を経て、平成26年11月から現在まで物理データ収集を継続している。最終的に必要なデータ量の約10%を収集した。 収集したデータを解析し、ドレル-ヤン反応と J/psi 生成反応が実験設計通りに検出できている事を確認した。これは、SeaQuest 実験の検出器が設計通りに稼働している事を示す重要な結果である。 本研究を遂行する上で特に重要なのはビーム強度の精密測定である。ビーム強度の相対値を測定する装置は前年度から順調に動作している。絶対値を測定する装置を前年度1月に製作完了したが、本年度5月にこれをビームラインへインストールした。8月に測定条件 (装置の読出パラメータ) の調整を行ない、12月から定常的なデータ読出を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度より引き続き、ビーム強度の時間変動を小さくする様にビーム性能の改善を進めた。その上で収集したデータを解析したところ、ビーム強度が大きい時にドレル-ヤン反応の検出効率が下がっている事を確認した。これは本研究の測定精度に影響を与える可能性が有るので、検出効率の詳しい解析と改善を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ビーム強度の絶対値の測定器は稼働中である。その測定絶対値の較正を行なう。同時に、ドレル-ヤン反応の検出効率を一定にする事も本研究にとって重要であり、データ解析手法 (荷電粒子の飛跡再構成のアルゴリズムなど) を改良していく。
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Causes of Carryover |
ビーム強度絶対値測定器の較正を次年度に行なう事としたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年7月から加速器メンテナンスでビーム実験を休止し、その期間にビーム強度絶対値測定器の較正を行なう。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] SeaQuest 実験の Drell-Yan 反応を用いた陽子内の sea クォークのフレーバー非対称度の研究2015
Author(s)
宮坂翔, 後藤雄二, 眞田塁, 澤田真也, Florian Sanftl, 柴田利明, 永井慧, 中野健一, 奈良旬平, 宮地義之, 他 SeaQuest Collaboration
Organizer
日本物理学会 第70回年次大会
Place of Presentation
早稲田大学
Year and Date
2015-03-24 – 2015-03-24
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