2014 Fiscal Year Research-status Report
宇宙線エマルションチェンバーのノンバイアス・大統計解析手法の開発
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25800142
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森島 邦博 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 助教 (30377915)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 宇宙線 / 原子核乾板 / 自動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、宇宙線エマルションチェンバーのノンバイアス・大統計解析を行うための技術開発を進めた。昨年度開発した解析処理を過去に行われた気球実験のエマルションチェンバー(JACEE、RUNJOBなど)へ適用するため、RUNJOBの原子核乾板の再読み取り試験を開始した。読み取りは、現在開発中の最新の原子核乾板読み取り装置HTS(Hyper Track Selector)を試験的に導入する事にした。原子核乾板の乳剤層を読み取り装置HTSの被写界深度に適した厚さへと調整するために、RUNJOBの原子核乾板を一定時間水に浸けて膨潤させてからグリセリン水溶液に浸ける事で乾燥後の膜厚を膨潤する処理の条件出しを実施し、手法を確立した。また、HTSによる原子核乾板の読み取り条件の試行を行い、読み出した飛跡情報の分析により、陽子成分とHe以上の重粒子成分との分離に目処を付けた。このデータ解析により、原子核乾板に垂直に入射している高い電離損失(高い銀粒子密度)の飛跡については、認識効率が低い事が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去に行われた宇宙線実験RUNJOBのエマルションチェンバーを用いた解析技術の開発を実施した。現在開発中の最新の原子核乾板読み取り装置HTS(Hyper Track Selector)を試験的に用いることで、原子核乾板のグリセリン膨潤による膜厚調整、読み取り、データ解析までの一連の流れ確立した。その結果、HTSの読み取りデータによる粒子識別の問題点を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
原子核乾板に垂直に入射している高い電離損失(高い銀粒子密度)の飛跡に対する認識効率の向上を行う。また、JACEE及びRUNJOBの原子核乾板の膨潤、原子核乾板読み取り装置HTSによる読み取りを行い、解析技術の開発を進める。
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Causes of Carryover |
原子核乾板読み取り装置HTSを用いた読み取りのための膜厚の最適化条件、及び読み取り条件の導出に試行を要したため、粒子識別に対する課題の解決に至らず、最終的な性能実証を次年度実施する事とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
JACEE、RUNJOBといった過去に実施された宇宙線実験の原子核乾板を用いた解析技術の開発のために、それらの原子核乾板のグリセリン膨潤処理、原子核乾板読み取り装置HTSによる読み取りと解析に必要な物品購入等へ未使用額を充てる事とする。
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