2016 Fiscal Year Annual Research Report
Constraints from vacuum stability and light particles in string theory
Project/Area Number |
25800144
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大河内 豊 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (40599990)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 準安定状態 / 有限温度効果 / 真空崩壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、中井雄一郎氏(ハーバード大学)とともに、有限温度効果を考慮した場合における相転移の触媒効果を弦理論で調べた。初期宇宙において高温の状態が実現されているならば、その効果により触媒効果がさらに促進する可能性がある。我々が行った研究は、準安定状態を構成する要素のNSブレーンが熱平衡状態にあるとき、それがnon-extremalなブラックホールになるという事実を用い、その寄与によるを考慮にいれた準安定性と触媒効果の関係性を調べた。その結果、我々が用いたセットアップでは、温度効果により準安定状態がさらに不安定になることがわかった。これは、初期宇宙において温度が高い状態があったとすると、現在の宇宙が準安定状態であるならば、途中で崩壊してしまう可能性もあり、真空のセレクションにおける強い制限になりうることがわかった。このことから、現在の宇宙を再現する理論では、初期宇宙における温度効果に上限があることがわかった。
この研究成果は論文としてまとめ発表した。それはPhysical Letter Bに掲載されている。また、慶応大学でのセミナー講演を行い、研究成果を発表した。
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Research Products
(3 results)