2014 Fiscal Year Annual Research Report
一軸性圧力下での角度分解磁場中比熱測定から探る重い電子系超伝導
Project/Area Number |
25800186
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橘高 俊一郎 東京大学, 物性研究所, 助教 (80579805)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 重い電子系 / 超伝導 / 一軸性圧力 / 比熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非従来型超伝導の発現メカニズムに迫ることを目的として、角度分解磁場中比熱測定から様々な重い電子系超伝導体のギャップ構造の解明を目指した。加えて、異方的結晶歪みのもとで非従来型超伝導の個性がより顕著に現れる可能性に着目し、一軸性圧力下で角度分解磁場中比熱測定が可能な装置の開発・改良に取り組んだ。
本年度は、CeCu2Si2の多バンドフルギャップ超伝導に関して国際会議SCES2014で口頭講演を行った。また、本年度の重要な成果の一つとして、常圧での角度分解磁場中比熱測定からUBe13の超伝導ギャップ構造を明らかにしたことが挙げられる。これまでUBe13は超伝導ギャップにノードを持つと考えられてきたが、CeCu2Si2と同様に、実はフェルミ面上には目立ったギャップノードが存在しないことを明らかにした。結果の詳細は論文にまとめてPhys. Rev. Lett.誌で公表した。30年以上もの間、ギャップノードを持つと考えられてきた重い電子系超伝導体CeCu2Si2とUBe13においてフルギャップ超伝導状態を相次いで見出した本研究成果は、重い電子系超伝導の研究に新たな展開をもたらすと期待される。
また、本年度はSr2RuO4の一軸性圧力下比熱測定にも取り組んだ。Sr2RuO4は劈開性を持ち、圧力方向にも敏感であるため、加圧機を機械式からハンドプレス式に変更し、加圧方法を改善した。本研究は現在進行中であり、興味深い結果が得られつつある。また、ごく最近発見されたSr2RuO4の磁場中超伝導1次転移に関して新たな知見を得るために、磁場方位精密制御下での極低温磁化測定を行った。その結果、超伝導1次転移で鋭い磁化のジャンプを観測し、その大きさがパウリ常磁性効果で期待されるジャンプと同程度に大きいことを明らかにした。結果の詳細は論文にまとめてPhys. Rev. B誌で公表した。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Spin-Chirality-Driven Ferroelectricity on a Perfect Triangular Lattice Antiferromagnet2014
Author(s)
H. Mitamura, R. Watanuki, K. Kaneko, N. Onozaki, Y. Amou, S. Kittaka, R. Kobayashi, Y. Shimura, I. Yamamoto, K. Suzuki, S. Chi, and T. Sakakibara
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Journal Title
Phys. Rev. Lett.
Volume: 113
Pages: 147202(1-5)
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Field-induced incommensurate phase in the strong-rung spin ladder with ferromagnetic legs2014
Author(s)
H. Yamaguchi, H. Miyagai, M. Yoshida, M. Takigawa, K. Iwase, T. Ono, N. Kase, K. Araki, S. Kittaka, T. Sakakibara, T. Shimokawa, T. Okubo, K. Okunishi, A. Matsuo, and Y. Hosokoshi
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Journal Title
Phys. Rev. B
Volume: 89
Pages: 220402(R)(1-5)
DOI
Peer Reviewed
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