2015 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性超伝導体への元素・電子軌道選択的な磁気プローブによる新たな実験的アプローチ
Project/Area Number |
25800207
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
竹田 幸治 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 主任研究員 (50399416)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ウラン化合物 / 強磁性超伝導体 / 軟X線 / 内殻吸収磁気円二色性 |
Outline of Annual Research Achievements |
SPring-8 BL23SUに設置されている軟X線内殻吸収磁気円二色性(XMCD)測定装置に導入・整備してきた長距離望遠鏡とCCDカメラを組み合わせた試料の位置出し機構を活用し、ウラン化合物強磁性超伝導体URhGe対して主にU N4,5吸収端でのXMCD実験を実施した。
平成27年度は、平成26年度までに得られている実験結果の再現性の確認も含め、引き続き強磁性磁化容易軸であるc軸に対するXMCD実験を行った。特にウランサイトにおける元素選択的磁化曲線の温度依存性を詳細に調べた。その結果、バルクの磁化曲線とよく一致する結果が得られた。このようにXMCD強度は温度と磁場に敏感に依存したが、スピン磁気モーメントに対する軌道磁気モーメントの比(L/S)は、温度や磁場に依存せず変化しなかった。 上記に加え、磁場印加によりリエントラント超伝導が観測されるb軸に対するXMCD実験も行った。c軸に比べて磁化が小さいのでXMCD検出は困難になると予想していたが、b軸でも明瞭なXMCDスペクトルおよび元素選択的磁化曲線を取得することができた。b軸においてもL/Sは温度や磁場に依存しなかった。しかし、c軸とb軸のXMCDスペクトルを比較すると、N5に対するN4でのXMCD強度に違いが観測されており、c軸におけるL/Sの値がb軸に比べて大きいことが分かった。これはURhGeの磁気異方性を理解する上で重要な知見である。 一方、URhGeおよび他のウラン化合物強磁性超伝導体(UCoGeおよびUGe2)に共通に含まれるゲルマニウム元素にも注目し、Ge L2,3吸収端でのXMCD実験も試みた。結果、非磁性元素であるゲルマニウムサイトにもXMCD信号が観測され、磁気分極していることが分かった。今後、他の強磁性超伝導体においても実験を行い比較検討すべきと考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] ウラン化合物のU 4d-5f共鳴光電子分光2016
Author(s)
藤森伸一, 小畠雅明, 竹田幸治, 岡根哲夫, 斎藤祐児, 藤森淳, 山上浩志, 芳賀芳範, 山本悦嗣, 大貫惇睦
Organizer
日本物理学会第71回年次大会
Place of Presentation
東北学院大学(宮城県仙台市)
Year and Date
2016-03-19 – 2016-03-22
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