2015 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジカル量子相のアンダーソン転移における表面状態
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25800213
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
小布施 秀明 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50415121)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | トポロジカル量子相 / アンダーソン転移 / 量子ウォーク |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、様々な対称性、様々なバルクの空間次元、様々な境界条件またはトポロジカル欠陥が存在する系におけるトポロジカル量子相の表面状態について調べることである。本年度は以下のような成果を挙げた。
[1]量子ウォークは、光学系における実験が盛んに行われているため、電子系には現れない光学系特有の対称性が、トポロジカル相や表面状態の性質に影響を与える可能性がある。光強度の減衰および増幅の効果を取り入れると、系は一般に擬エネルギーが複素数となる非ユニタリーな時間発展演算子により記述される。しかし、この系に対し、空間反転と時間反転を組み合わせたPT対称性が存在すると、擬エネルギーが実数に保たれ、さらに非ユニタリー性に起因する特異な現象が現れる。我々は、以前の研究で導入した対称時間軸を用いることにより、この系(時間発展演算子)におけるPT対称性の明確な定義を与えた。次にこの系のトポロジカル相を調べた結果、減衰および増幅の寄与を取り入れても、エネルギーギャップが開いている限り、トポロジカル数に変化がないことが分かった。さらに、この系では、トポロジカル相に由来する表面状態のみ擬エネルギーが複素数になるため、表面状態の波動関数振幅が時間発展と共に指数関数的に増大することが明らかとなった。
[2]パラメーターが空間的に変化する2相系量子ウォークにおけるトポロジカル数と時間平均極限測度や固有値・定常測度との関係を明らかにした。表面状態が対称性を守る摂動に対して安定であるため、系に欠陥に導入しても、2相系量子ウォークの鏡面状態の固有値が不変であることが、厳密解から確認できた。
[3]実験で観測されている単一欠陥１次元量子ウォークにおける局在状態が、トポロジカル相に起因する表面状態と考えられる事が分かった。
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