2013 Fiscal Year Research-status Report
高精度結晶構造探査アルゴリズムの開発と固体水素室温超伝導相探索への適用
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25800218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石河 孝洋 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 特任助教 (40423082)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / ポテンシャルエネルギー面トレッキング / 構造探索 / 固体水素金属相 / ゼロ点振動エネルギー計算 |
Research Abstract |
新たな構造探索アルゴリズムとなる「ポテンシャルエネルギー面トレッキング」を考案し、これを第一原理的に実行できるようにコーディングを行った。この新手法の有効性を確かめるために、開発した構造探索コードを1000万気圧における炭素に適用させたところ、ダイヤモンド構造からBC8構造、歪んだBC8構造、R8構造、単純立方構造への相転移がシミュレーションによって得られた。より複雑な系に対してこの新アルゴリズムがどこまで有効かは更なるテストが今後必要となるが、少なくとも炭素のような単純物質に対してはこの方法が新物質相探索に威力を発揮することが確認できた。 ポテンシャルエネルギー面トレッキングとは異なる構造探索手法の「遺伝的アルゴリズム」についてコーディング及び動作テストがほぼ完了したため、実験では未踏の圧力領域における固体水素に適用させて、室温超伝導が期待される金属相の探索を試みた。その結果、先行研究で金属相として予測されているセシウムIV型構造からわずかに歪んだ斜方晶構造が、新たな金属相として400万気圧以上で出現することを理論的に予測した。最軽量元素の水素で顕著となるゼロ点振動エネルギーの寄与を第一原理的に考慮して構造安定性を調べたところ、セシウムIV型構造と斜方晶構造はエネルギー的にほぼ縮退しており、圧力変化によって最安定構造が両者の間で変動することが明らかになった。今後はこの斜方晶構造を使って超伝導性を詳しく調べる計画である。また上記のポテンシャルエネルギー面トレッキングを固体水素に適用させて更なる高圧相の探索も試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目的は、大別すると①「高精度構造予測アルゴリズムの開発」及び②「固体水素室温超伝導相の探索」のふたつとなる。①については、「第一原理遺伝的アルゴリズムコード」の開発とその動作テストがほぼ終了した点、及び異なる構造探索手法として「ポテンシャルエネルギー面トレッキング」を考案し、それを第一原理的に実行できるようにコーディングした点を踏まえると、研究課題開始当初に設定した研究目標を順調に達成していると言える。また②については、開発を進めている第一原理遺伝的アルゴリズムコードを固体水素に適用させて、金属状態をとる斜方晶構造が新たに出現することを予測し、室温超伝導相探索のための準備が整いつつある。これも当初に想定していた計画通りに研究が進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
開発を進めている第一原理遺伝的アルゴリズムコード及び第一原理ポテンシャルエネルギー面トレッキングコードは現在のところ自由度の低い単体のみでしか適用されていない。そこで、今後の研究では、これらの構造探索コードを化合物のように自由度の高い系に適用させたとき構造探索能力がどれほどのものかを確認し、クリアすべき問題点を明らかにしてコードの更なる改良を目指す予定である。 固体水素の室温超伝導相探索について、平成25年度の研究で遺伝的アルゴリズムによって新たな金属相が探索できたので、これを使用してその超伝導性を第一原理的に詳しく調べる計画である。またポテンシャルエネルギー面トレッキングを使用して固体水素における新たな高圧相・高温相の探索も試みる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定では計算機を4台(60万円×4台=240万円)購入する計画だったが、価格が想定していたものよりも高額(1台70万円)となっていたために予定を変更して購入台数を2台に抑えたことにより次年度使用額が生じた。 当該年度で購入した計算機よりも高性能のものを1台購入し、残金を国際会議出張旅費に充てる計画である。
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Research Products
(25 results)
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[Presentation] All elements superconduct at high pressure?2013
Author(s)
K. Shimizu, T. Matsuoka, M. Sakata, Y. Nakamoto, T. Ishikawa, and T. Kagayama
Organizer
International Workshop of Computational Nano-Materials Design on Green Energy
Place of Presentation
Awaji Yumebutai International Conference Center
Year and Date
20130616-20130619
Invited