2013 Fiscal Year Research-status Report
Novel method for manipulating single atoms and photons in a cavity on an optical nanofiber
Project/Area Number |
25800226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
サッドグローブ マーク 電気通信大学, フォトニックイノベーション研究センター, 助教 (40625000)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ光ファイバー / 量子光学 / 共振器QED / 自然放出増強 / ナノ導波路 |
Research Abstract |
ナノ光ファイバーにナノ加工されたグレーティングを接触させる事により、ナノファイバー伝播光の近接場が屈折率され、結果として一次元のフォトニック結晶機能がナノファイバーに付与されることが基本的な着想である。ただし、接触によるナノファイバー伝播光の散乱損失を無視可能なレベルまでに低減する事が必須の要点である。 本計画ではまず、ナノファイバー/グレーティング系の光学特性をFDTD法によりシミュレートし、ブラッググレーティング反射をナノファイバー上に実現すべく、ナノ加工グレーティングを作製した。作製したグレーティングとナノファイバーの組み合わせによる系により予測した特性が極めて高い精度で実現できる事を実証した。次に、グレーティング中央部に不連続欠陥を導入し、ナノファイバーと組み合せ、欠陥により誘起された共振器機能を創り出すべく研究を行った。グレーティング中心部に、グレーティングピッチの1.5倍幅の欠陥を導入する試みを行った。この場合は理論的には単一モードの共振器が実現できる。作製したナノファイバー共振器は予測通り、偏光依存性のある単一モード特性を示すものである事を実証した。 次に、ナノファイバー上に量子ドットを担持し光励起により発生するファイバーモードヘの自然放出光を観測した。共振器共鳴波長で、理論予測と良く対応する自然放出光の増強を観測した。現在、系統的な実験と解析、論文執筆を行っている。本研究の結果は、共振器QED効果を外部ナノ構造により操作制御した最初の例である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外部ナノ構造によるナノ光ファイバーへの一次元フォトニック結晶機能の組込みに成功した。更に、欠陥導入による共振器機能の組込みにも成功した。この方法と単一量子ドットを組み合せ、共振器QEDの典型例である自然放出増強の観測にも成功した。本計画の基本構造はほぼ確定したと言って良い。第2年度への道筋も明確に示せた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本は、初年度に実証したナノ光ファイバー/グレーティング系による共振器QED効果を質的に高い段階に発展させる事である。要点の一つはモード体積の低減である。グレーティングパターンを最適化する事により、実効的共振器長を現在の150波長程度から50波長程度に低減させることを目指す。FDTD法による設計シミュレーションを系統的に行う。また、ナノ光ファイバー/グレーティング/単一量子ドット系をファイバーモードへの単一光子発生システムとしても評価する。複数量子ドット系による相関光子追発生についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第2年度においては、様々な設計によるグレーティング試作、ナノファイバ-製作等で多くの消耗品費が必要となる。このため、平成26年2月においての未使用予算は第年度消耗品費として繰り越すこととした。 グレーティング試作、ナノファイバ-製作等に関わる消耗品費として使用する。 使用予定内訳は、グレーティング基板として70,000円(単価7000円、10枚)、ナノファイバー作製費用補助として21,074円である。
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