2015 Fiscal Year Annual Research Report
in-situ温度測定によるイッテルビウム光格子時計の高精度化
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25800231
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田邊 健彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 物理計測標準研究部門, 研究員 (30613989)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光格子時計 / 黒体輻射 / イッテルビウム / ストロンチウム / 絶対周波数測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者所属のグループが世界で初めて開発に成功し、次世代時間標準の有力な候補の一つである「イッテルビウム(Yb)光格子時計」の更なる高精度化を目的としている。現在のYb光格子時計の主要な不確かさの一つは、原子を取り囲む環境からの黒体輻射シフトに起因する。これは、環境温度の測定の不確かさが大きいことが原因である。そこで、時計遷移の上準位からn(主量子数)が15~40のRydberg状態への遷移周波数を測定し、原子を取り囲む環境温度のその場(in-situ)測定により環境温度を求める。これは他の理論グループにより提案された手法であり、本研究でこの手法の実証を目指す。 昨年度までに、磁気光学トラップ(MOT)中のYb原子の数を増大させることを目的として、大強度の399nm光源を開発し、周波数安定化を行った。しかし、Yb光格子時計が不調であり目的のRydberg原子生成には至らなかった。一方、本研究の目的であるRydberg遷移周波数測定による環境温度の測定は、ストロンチウム(Sr)光格子時計でも可能である。Sr原子の時計遷移は、Yb原子と同様に次世代の時間標準の有力な候補である。そこで本年度は、Sr光格子時計を用いた本研究の遂行の可能性を検討した。そのためには、現状のSr光格子時計の精度をさらに上げる必要があったために、Sr光格子時計の絶対周波数測定をさらに進めた。測定方法に工夫を施すことにより、以前に本グループが測定した結果よりも、3倍以上の高精度での絶対周波数測定に成功した。この成果は、2015年9月に行われた国際度量衡委員会傘下の関連会議にて議論され、Sr原子の時計遷移の推奨周波数値と不確かさの更新に寄与した。上記のRydberg遷移周波数の測定には至ってはいないが、それに向けた足場を堅牢に固めることができたと言えるだろう。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Improved frequency measurement of the 1S0-3P0 clock transition in 87Sr using a Cs fountain clock as a transfer oscillator2015
Author(s)
Takehiko Tanabe, Daisuke Akamatsu, Takumi Kobayashi, Akifumi Takamizawa, Shinya Yanagimachi, Takeshi Ikegami, Tomonari Suzuyama, Hajime Inaba, Sho Okubo, Masami Yasuda, Feng-Lei Hong, Atsushi Onae, and Kazumoto Hosaka
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Journal Title
Journal of the Physical Society of Japan
Volume: 84
Pages: 115002-1~2
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] ストロンチウム原子の時計遷移の絶対周波数測定 -SI秒との比較における不確かさの軽減-2016
Author(s)
田邊健彦, 赤松大輔, 小林拓実, 高見澤昭文, 柳町真也, 池上健, 鈴山智也, 稲場肇, 大久保章, 安田正美, 洪鋒雷, 大苗敦, 保坂一元
Organizer
第63回応用物理学会春季学術講演会
Place of Presentation
東京工業大学(東京都)
Year and Date
2016-03-19
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