2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25800241
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
貞包 浩一朗 立命館大学, 理工学部, 助教 (50585148)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソフトマター / コロイド / 界面活性剤 / 中性子散乱 / 自己組織化 / 溶媒和 / 相分離 / 溶液・液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはこれまで、下部臨界点を持つ有機溶媒水溶液である3-メチルピリジン水溶液にC12E5のような非イオン性界面活性剤を加えることで、水と3-メチルピリジンの相溶性が低下する、すなわちC12E5は3-メチルピリジン水溶液に対して「界面不活性」の働きをすることを発見している。更に前年度までの中性子散乱実験から、界面不活性性の要因として、C12E5が水溶液中で水分子を選択的に引き付ける(ホモ選択的溶媒和をする)ことで3-メチルピリジン分子から水分子が引き離されていることが予想されていた。 本年度はNMR実験を行い、水と3-メチルピリジン、及びC12E5間の相互作用を分子レベルで調べることで、上記の予想を検証した。現時点で得られているデータは信号強度が極めて弱く、予想を完全に裏付けるまでには至っていないものの、正しいと思えるような傾向が見えている。今後は更にマシンタイムを長く確保し、SN比の大きなデータを得る予定である。 また、上部臨界点を持つ有機溶媒水溶液であるアセトニトリル水溶液に対してもC12E5は界面不活性の働きをすることが分かっていたが、本年度は動的光散乱実験とNMR実験を行い、界面不活性性の要因を検証した。今のところ、アセトニトリル水溶液中においてもC12E5は水分子を選択的に引き付けることが界面不活性性の要因であると思える結果が見えているが、今後更に長時間データを積算する必要がある。 以上の結果の一部を国内外での招待講演(第37回溶液化学シンポジウム・プレシンポジウム、Soft Matter at Interfaces 2015(ドイツ))にて発表した。
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Research Products
(4 results)