2014 Fiscal Year Research-status Report
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25800259
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
稲津 將 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80422450)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 低気圧 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
主観的な天気図解析における低気圧の追跡を、客観的に電算処理するアルゴリズムは大循環モデル出力に対し爆弾低気圧など温帯低気圧の個々の特性を解析する際などに必要となる。本研究ではInatsu (2009)ですでに開発済の連結閉領域の重なりに着目した新手法により、個々の低気圧特性の詳細な定量化を実現することとし、平成26年度までに（Ａ）対流圏界面付近の渦の形状とジェット気流の間の関係が気象力学の従来の知見と整合的なものであること（Ｂ）熱帯低気圧の動的追跡のためには、熱帯低気圧の性質による選別が重要となることを示した。
平成26年度は、熱帯低気圧の動的追跡に、Inatsu (2009)で開発した低気圧トラッキングのアルゴリズムが適用可能であることを示した。とくに、北西太平洋における台風ベストトラックデータと比較しながら、過去30年の気象再解析データに基づいて個々の特性を明らかにしながら台風を動的に追跡し、熱帯低気圧トラッキングを最適に選別する方法を明らかにした。その結果、熱帯低気圧の動的追跡のためには、熱帯低気圧の性質による選別が重要となることがわかった。とくに風のシアと暖気核に注目した選別方法により、台風ボーガスが埋め込まれた過去の気象再解析データをもとにして台風同定を行ったところ、気象庁ベストトラックを基準にして８６％の捕捉が可能となった。また、台風による熱輸送量の計算や温帯低気圧化の判別についても、トラッキングの中で自動計算できる可能性について調べた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度研究計画として設定した（Ｂ）熱帯低気圧の物理と形状の関係は完全に終了した。また、一部来年度予定の北海道付近で急発達する低気圧の判別を実施し、３月１日付け北海道新聞朝刊１面に掲載された。
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| Strategy for Future Research Activity |
（Ｃ）日本付近を通過する温帯低気圧カタログの作成：主観的な天気図解析の温帯低気圧判別と対照しながら、過去のすべての温帯低気圧の履歴に対して新トラッキング手法を用いたカタログを作成する。新トラッキング手法を日本付近を通過する温帯低気圧に適用し、その経路や発達の様子を数表や図として公開する。たとえば、2011年12月の温帯低気圧の軌跡を新トラッキング手法と主観的な天気図解析によって取り出すことが可能である。特定年に対して、新トラッキング手法と主観的な天気図解析の温帯低気圧判別をなるべくあわせるように調整したのち、過去のすべての温帯低気圧の履歴に対して新トラッキング手法を用いたカタログを作成する。そのカタログには急発達など個々の温帯低気圧の特性も付記することで、現業などでの低気圧解析に資するものにする。なお、カタログはウェブページ上に閲覧制限なしに公開する予定である。
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| Causes of Carryover |
今年度の助成金の執行に当たり、経費の端数として13,913円の執行残額が発生した。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文投稿料のカラーチャージやウェブページのデザインの充実のような研究成果の公表の充実のために今年度の残額を利用する。
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