2013 Fiscal Year Research-status Report
世界最古の化石記録から探るベレムナイトの初期進化史
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25800285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊庭 靖弘 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (80610451)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 古生物学 / 中生代 / 頭足類 / 進化史 |
Research Abstract |
ベレムナイト(絶滅頭足類)は,長い時間軸上の環境変動に対応した遊泳生物の進化を示すモデル生物として現在世界的に注目されている.その基礎をなすベレムナイト進化史に関する研究は150 年間にわたり活発に行われてきた.しかし,従来の進化史モデルは「欧州のデータ中心」という地域的なバイアスかが強くかかっていることかがわかった.本研究は,研究の空白地帯となっていた東アジアにおける初期のベレムナイト化石記録を精査することで,従来の欧州モデルに全面的な改訂を迫るものである.この目的を 達成する具体的な課題として,1)通説を 4500 万年も遡る三畳紀起源説の検証,2)原始的グループの認識と新分類群の提唱,3)高次分類群の起源の解明,4)進化史初期段階での多様性・古生物地理の変遷とその背景の追究を設定している. 宮城県太平洋沿岸域の志津川層群において野外調査を行いSinemurian階より多数のベレムナイトを得た.分類学的検討の結果,新科新属新種のNipponoteuthis katana,およびEocylindroteuthisの新種であるE. yokoyamaiを報告した(Iba et al., in press PLOS ONE).これらは,亜目Belemnitinaに属するが,同時代の欧州から知られるグループとは鞘後方によく発達した溝を持つ点で異なる.これらの特徴を持つBelemnitinaは,ジュラ紀中期より出現したと考えられてきたが,本研究によりジュラ紀最初期に既に存在していたことが明らかとなった.この他,中国成都理工大学において三畳系より産出したSinobelemnitidsの標本調査を行い,新亜目設立のための殻内部構造を観察し,分類学的検討を行った.Sinobelemnitidsとの比較のために欧州の各研究機関(ベルリン自由大学やカレル大学)の収蔵標本やフィリピン産標本の検討も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画は,1)東北太平洋沿岸のジュラ系ベレムナイトの分類と同時代の初期進化史の改訂,2)成都理工大学に収蔵されている最古のベレムナイト(Sinobelemnitidae)の殻内部構造の観察と日本のジュラ系最下部標本との比較,3)欧州各地での比較標本の入手と分類検討であった.本年度は,この全てをクリアし,東南アジア標本(フィリピン),チベット標本の検討もはじめた.論文の出版投稿も順調なことから「順調に進展している」と評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
1.野外および標本調査:宮城県の志津川層群の層序・採集調査の継続に加えて四川省・雲南の三畳系を対象とした対象とした野外および標本調査を行う.南京地質古生物研究所に収蔵されているチベット産標本の分類学的検討を終え,生物地理学的観点からの解析を行う. Pachybelemnopseina亜目の最古記録調査のために欧州の各地域・研究機関(ルール大学,チューリッヒ大学等)において標本調査を行う. 2.室内研究:平成 25 年度と同じ方法で殻の外部形態および内部形態・構造を観察し,分類を行う.Belemnitina 亜目,Pachybelemnopseina 亜目に分類されるタクサについては,ヨーロッパ産の標本との比較を行い,種レベルでの分類を行う. 研究結果は随時論文として報告する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた人件費(画像処理および標本整理)の大幅な節約が可能となったため次年度使用額が生じた. 次年度使用額の全て(244,590)を2014年9月に開催される国際頭足類学会等に用いる.
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Family Sinobelemnitidae2014
Author(s)
Iba, Y
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Journal Title
In Treatise on Invertebrate Paleontology Part M, Mollusca 5: Coleoidea. Geological Society of America and the University of Kansas Press, Lawrence
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed
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[Journal Article] The evolution of canaliculate rudists in the light of a new canaliculate polyconitid rudist from the Albian of the central Pacific2014
Author(s)
Sano, S., Iba, Y., Skelton, P., Masse, J.-P., Aguilar, Y.M., Kase, T.
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Journal Title
Palaeontology
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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