2014 Fiscal Year Research-status Report
地球はコンドライト的か?-月形成に伴う原始地球のNd安定同位体分別
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25800302
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
若木 重行 独立行政法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, 技術研究員 (50548188)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 重元素安定同位体 / 高精度同位体分析 / ネオジム |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、Nd安定同位体の超高精度分析法を新たに開発し、開発された新手法を用いて、地球上の岩石試料および隕石に代表される惑星試料の系統的な分析を行うことが目標である。 平成26年度は、1.超高精度Nd安定同位体分析法を用いた火成岩を主とする地球物質のNd安定同位体組成サーベイ、および、2.地球外試料の分析を行うための専用器具・試薬等、実験環境の整備、を行う予定であった。 1.については、まず岩石試料分析を行う為に必要な、Ndの化学分離法の開発を行った。元素選択性の高いイオン抽出樹脂(Sr・TRU・Ln樹脂)を使用した抽出クロマトグラフィー法を用いて、操作ブランクの少ない状態で(<10 pg Nd)、酸分解を行った岩石試料からNd(およびSr・Sm)を単離する方法を確立した。これによって、本研究課題の目的の一つであった、岩石試料の超高精度Nd安定同位体分析を実現するために必要な手法開発は、完了した。 次に、地球物質に対するNd安定同位体組成サーベイを行うため、起源および分化の程度が様々な火成岩を主体として50試料の岩石試料を準備した。準備した試料に対して、希土類元素組成を含む微量元素存在度の分析およびSrの高精度同位体分析を行い、試料の起源やマグマ分化の程度を論じる為に必要な基礎的な地球化学データの取得を行った。 2.については、化学操作の為の実験室環境・器具を整備し、地球外試料の酸分解からNd化学分離までを低ブランク下で行うことが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、当初の研究計画と比較して達成状況に遅れが見られる。これは、平成26年度に実施したNdの化学分離法の開発が難航し、当初の想定よりも多くの時間を割く必要があった為である。具体的には、抽出クロマトグラフィーの過程で既存文献には報告されていなかった元素の挙動が見られたため、一部のイオン抽出樹脂の特性把握をあらためて行う必要が生じた事により、研究計画に遅れが生じた。これによって、平成26年度に実施予定であった地球物質のNd安定同位体組成サーベイについて、まとまった結果を得る事ができなかった。 しかしながら、平成26年度の研究によって本研究課題の柱の一つである新分析手法開発は完了し、岩石試料の超高精度Nd安定同位体分析を行うことが可能になったため、一定の成果は得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、従来の研究計画と比較して若干の遅れが生じている。従って、平成27年度の前半は、平成26年度に実施予定であった、超高精度Nd安定同位体分析法による地球物質のNd安定同位体組成サーベイを精力的に行う。得られた結果から、地殻およびマントルのNd安定同位体組成のキャラクタリゼーションを行う。また、平成27年度後半には、平成27年度に実施予定である、地球外試料の超高精度Nd安定同位体分析を行う。これらの結果から、惑星物質相互のNd安定同位体組成の分別の程度をあきらかにする。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅延から、平成26年度に実施予定だった地球物質のNd安定同位体組成サーベイの本格的な実施は、平成27年度に繰り延べになった。それに伴い、分析に必要な試薬類、および同位体比測定に使用するレニウムフィラメントの消費が当初予定よりも少なく、該当分の予算で未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度実施予定であった地球物質のNd安定同位体組成サーベイを平成27年度に本格的に実施する事に伴い、分析に必要な試薬類および同位体比測定に使用するレニウムフィラメントを当初予定よりも多く消費する事になる。従って、未使用額は、これら実験に必要な消耗品の購入に充てる。
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Research Products
(2 results)