2013 Fiscal Year Research-status Report
有機ボレート塩を用いた触媒的四級炭素構築反応の開発
Project/Area Number |
25810024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
植田 光洋 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60566298)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸触媒 / クロスカップリング反応 / 第二級プロパルギルアセテート / 有機ボロン酸 |
Research Abstract |
元素戦略を基盤としたクロスカップリング反応の新規創出研究は、学術的にも工業的にも重要かつ社会的貢献度の高い研究である。本研究分野において、申請者はこれまでに遷移金属を用いない鈴木-宮浦クロスカップリング反応の開発に成功しており、有機ホウ素化合物がハロゲン化アリルに対して炭素求核剤として作用するという先駆的な研究成果を報告している。本申請研究では、申請者が見いだした有機ホウ素化合物の炭素求核剤としての能力を活かした斬新かつ元素戦略を意識した鈴木-宮浦型クロスカップリング反応の開発を目的とした研究を展開した。具体的には、酸触媒を利用したカルボカチオンの化学との融合により、触媒的四級炭素構築反応およびsp3C-Hから直接的に生起されるカルボカチオンを利用したカップリング反応の開発を目指した。 種々反応条件を検討した結果、酢酸を触媒として用いる事により、第二級プロパルギルアセテートと有機ボロン酸とのクロスカップリング反応が良好な収率で進行する事を見出した。現在は触媒的三級炭素構築反応の開発にとどまっているが、今後四級炭素構築反応へと展開して行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸触媒による有機ボロン酸を用いたクロスカップリング反応の開発に成功しており、反応機構の解明にも成功している。本反応の反応機構から、当初目的としていた四級炭素構築反応への展開も容易に可能であり、今後すぐに当初の目的を達成できる見込みがあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
酸触媒による有機ボロン酸のクロスカップリング反応におけるカップリングパートナーとして、第三級プロパルギルアセテートを始めとして、第三級アリルアセテート、第三級ベンジルアセテートおよび第三級アレニルメチルアセテートなどの適用を順次試みる。非常に温和な条件下でのクロスカップリング反応が可能であるため、天然物合成への展開も試みる。
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