2014 Fiscal Year Research-status Report
カルバゾール骨格を有する多重縮環ポルフィリノイドの開発と機能化
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25810027
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 千尋 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (80581371)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポルフィリン / カルバゾール / 近赤外吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポルフィリンは広いパイ共役系を有する大環状化合物であり、可視領域に強い吸収帯を示す色素である。一方で芳香環の縮環により共役系が拡張したポルフィリンは、吸収が長波長シフトすることで近赤外領域での吸収が可能である。近赤外光は人体に無害であることから光線力学療法への応用が期待されている。カルバゾールがベンゾ縮環したピロールであることに着目し、我々はカルバゾールを出発物質として新規な縮環ポルフィリノイドの開発に成功した。このカルバゾールポルフィリンは4つのベンゾ縮環のため強い近赤外吸収を示す。本研究ではさらに共役系が拡張したカルバゾールポルフィリンを合成することを目的としている。 これまでにブタジインで架橋したカルバゾールポルフィリン二量体の合成に成功している。今回新たにチオフェンで架橋したカルバゾールポルフィリン二量体の合成に成功した。その結果、最長吸収波長が1111から1121 nmに長波長シフトした。これはポルフィリン間の距離が短くなったことで電子的相互作用が強くなったと考えられる。またポルフィリンの姉妹分子であるBODIPYにカルバゾールを組み込んだ分子の合成にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は縮環ポルフィリン多量体の合成および物性評価を行う予定であったが、その合成が困難であったためやや遅れていた。しかし計画を変更して行ったカルバゾール骨格を有するジピリン誘導体についての研究が大きく進展したため、一年間を通しての達成度は順調に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発したカルバゾールポルフィリン二量体やジピリン誘導体の類縁体や比較化合物を合成して論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度に縮環ポルフィリン多量体の合成および物性評価を行い学会発表する予定であったが、その合成が困難であったため、計画を変更してカルバゾール骨格を有するポルフィリノイドとしてジピリン誘導体の合成と物性評価を行うこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このためジピリン誘導体の開発と学会発表を次年度行うこととし、未使用額はその経費に充てることとする。
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Research Products
(2 results)