2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25810028
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
高石 和人 成蹊大学, 理工学部, 助教 (70513430)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | キラリティー / キロプティカル特性 / 大環状化合物 / 組井桁 |
Outline of Annual Research Achievements |
組井桁の構成成分 (4本の棒) の上下を互い違いに組んだ構造は、家紋学で組井桁 (くみいげた) と呼ばれている。組井桁は内部に空洞を持つ D4 対称構造であり、組む方向の違いにより二種類の鏡像異性体が存在する。研究者らは平成25年度に引き続きこの種の化合物の合成、構造解析、機能化に取り組んだ。 (1) 平成25年度に合成法を確立した 2,2’-ビフェニル骨格および4,4’-ビフェニル骨格を有する組井桁型化合物をより大スケールで合成した。また新たに 3,3’-ビフェニル骨格やナフタレン環をビナフチルと交互に連結した化合物を合成した。DFT 計算や各種スペクトル測定によりこれらの立体構造の予測を行い、平均化された構造は Dn 対称体であることを確認した。また、吸収、円二色性強度と構成成分数の間には概ね加成性が成り立っていた。 (2) 2,2’-ビフェニル骨格を持つ化合物では、ビナフチル骨格だけでなくビフェニル骨格もキラル軸を有することが示唆された。円二色性スペクトル測定やDFT 計算等により、ビナフチル部位とビフェニル部位は同一の絶対立体配置および配座である構造が優先しており、室温では熱的異性化はほとんど起きないことが予測された。 (3) 合成した組井桁型化合物をホストとして、フラーレン類をゲストとして用いてホストゲスト相互作用を調査した。3,3’-ビフェニル骨格を持つD3 対称化合物ではフラーレンを包接していることが示唆された。現在本現象についてさらに追求しており、現在論文投稿準備中である。
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