2014 Fiscal Year Annual Research Report
ボラベンゼンとルイス塩基の錯形成を鍵とするパイ共役系骨格の構築および物性の解明
Project/Area Number |
25810029
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
鈴木 克規 中央大学, 理工学部, 助教 (60455350)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機ホウ素 / 共役系 / ルイス酸 / ルイス塩基 / 有機アルミニウム / 芳香族 / ジルコニウム錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボラベンゼンと含窒素芳香族共役系のルイス酸―塩基相互作用による共役系の連結について研究を行った。ボラベンゼン前駆体となるトリメチルシリル置換ボラシクロヘキサジエンと2-フェニルピリジンとの反応により、オルトターフェニル型の共役系を構築することに成功した。またこの構造についてX線結晶構造解析により明らかにした。この研究過程で1,5-ビスシリル-1,4-ペンタジインのDIBAL-Hとジブチルスズジクロリドを用いた環化反応を発見した。この反応により得られる1,5-ビスシリルアルミナシクロヘキサジエンから二段階の反応によりアニオン性アルミナベンゼンの合成に成功した。このアニオン性アルミナベンゼンはアルミニウムを含むベンゼンとして初めての例であり、基礎化学的にきわめて興味深い。この構造についてX線単結晶構造解析、理論計算による電子状態の解明、またルイス塩基との反応性からアニオン性アルミナベンゼンが6パイ芳香族の寄与に加えて、ペンタジエニルアニオン型に電荷が局在化した構造の寄与があることを明らかにした。さらにアニオン性アルミナベンゼンの金属錯体への配位挙動について研究を行い、アニオン性アルミナベンゼンが配位したジルコニウム錯体の合成を行った。この構造解析からアルミナベンゼンがペンタジエニルアニオン型で金属に配位することがわかった。また配位子上でアルミニウム原子はルイス酸性を持ち、ジルコニウム上の塩素と相互作用することを見出した。
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