2016 Fiscal Year Annual Research Report
in-situ observation of restructuing dynamics of ionic liquids on electrodes
Project/Area Number |
25810044
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
本林 健太 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60609600)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イオン液体 / 電気化学 / 表面界面科学 / 表面増強赤外分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、イオン液体中における二酸化炭素の電気化学還元反応に関する検討を行った。 CO2の還元反応においては一般に、水の分解反応(水素発生)が競合して効率が低下することが問題であった。これはイオン液体中の微量水分についても言えることである。ところが、水と任意の比率で混合が可能なイオン液体、1-butyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborateを電解液に用いると、かなり大きなモル比の水を含む場合でも、水素発生を起こさずにCO還元反応が進むことが報告されている。この原因を調べるため、表面増強赤外分光法(SEIRAS)を用いて、反応進行下における電極の界面近傍のその場観測を行った。 CO2還元反応の進行に伴い、カチオンのイミダゾリウム環が電極と平行に近づくような配向変化が観測された。同時に、カチオンのアルキル基も電極に著しく近づく様子が観測された。これらの結果から、カチオンによって電極表面の活性サイトが被覆されるために水の電気分解が阻害されている可能性が示唆された。 COは電極表面で2つの吸着構造(オントップ吸着、ブリッジ吸着)をとる。イオン液体中では、どちらの構造のCOもCO2還元反応の進行と共に表面濃度が減少することがSEIRAS観測により示された。水溶液中ではブリッジ吸着COのみがCO2還元の反応中間体として機能するが、イオン液体中ではどちらのCOも中間体として機能することがわかった。電極近傍のイオン性の雰囲気によって、反応機構が変わったものと考えられる。
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