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2013 Fiscal Year Research-status Report

新規鉄錯体による触媒的不斉酸素酸化反応

Research Project

Project/Area Number 25810065
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

松本 和弘  九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40512182)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords合成化学 / 不斉反応 / 酸化反応 / 鉄
Research Abstract

本研究の目的は、2つのフェノール部位をジピリン骨格で架橋したONNO直線型の三価四座配位子を有する鉄錯体を触媒として用いた不斉酸化反応を開発することである。
平成25年度の研究においては、上記鉄錯体を触媒として用いたアルコールの酸素酸化反応についての検討を行った。1-フェニルエタノールをモデル基質に用いた場合、目的の酸化反応が空気中で進行し、中程度の収率で対応するアセトフェノンを与えることが明らかとなった。そこで研究実施計画の通り、反応溶媒や温度、濃度、添加剤など反応条件の精査を行った。しかしながら、収率の抜本的な改善は見られなかった。さらに、ジピリン骨格上のアリール基に、フルオロ基やクロロ基、トリフルオロメチル基などの電子求引基やアルキル基やアルコキシ基などの電子供与基、さらにはアントラニル基の導入により徹底した配位子チューニングを行ったが、収率にはあまり影響がないことが明らかとなった。
一方、上記鉄錯体のキラル化の検討も同時に行った。研究実施計画に則り、具体的にはフェノール部位に軸不斉を有するビナフチル骨格を導入することによってキラル錯体の合成を達成した。この光学活性鉄錯体を触媒に用いてラセミ体2級アルコールの空気酸化による速度論的分割に関する検討を行ったところ、酸化反応の進行が極めて遅いことが明らかとなった。しかし、回収した2級アルコールの鏡像異性体過剰率は十数%eeとなっており、酸化による速度論的分割が実際に起こっていることを明らかにすることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度の研究実施計画に則って、2つのフェノール部位をジピリン骨格で架橋したONNO直線型の三価四座配位子を有する新規鉄錯体がアルコールの空気酸化を触媒することを明らかにすることができた。また、鉄触媒のチューニングを行い、ジピリン骨格上のアリール基の修飾では、アルコールの空気酸化の収率は向上しないことを明らかにした。さらに、光学活性な鉄錯体の合成を達成し、これを触媒として用いたラセミ体2級アルコールの酸素酸化による速度論的分割を検討し、現在のところ低転化率ではあるが、実際に速度論的分割が起こることを明らかにすることができたためである。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度の研究では、新規鉄錯体のジピリン骨格上のアリール基に種々の置換基を導入することによって収率の改善を目指した検討を主に行ってきたが、目的であるアルコールの空気酸化の収率には大きな影響がないことが明らかとなった。そこで今後の研究では、鉄錯体のフェノール部位の修飾について検討し、アルコールの空気酸化の収率改善を検討する。
また、光学活性な鉄錯体を触媒に用いたラセミ体2級アルコールの酸素酸化による速度論的分割についても、収率と分割効率の向上に向けて、効果的な配位子の設計を行うことでさらなる改良を行っていく予定である。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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