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2014 Fiscal Year Research-status Report

マイクロ波支援による高機能性モノリス型キャピラリーカラムの迅速調製の確立

Research Project

Project/Area Number 25810085
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

リム リーワ  岐阜大学, 工学部, 准教授 (80377689)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsマイクロ波 / 迅速・簡便調製法 / ポロゲンレス / 有機ポリマー系モノリス / キャピラリーカラム
Outline of Annual Research Achievements

今年度は,主に有機ポリマー系モノリスカラムの調製法および評価法について検討した。重合では,モノマーとしてグリシジルメタクリレート,架橋剤としてエチレンジメタクリレート,細孔形成剤として1-プロパノール,1,4-ブタンジオールおよび水,重合開始剤として2,2-アゾビスイソブチロニトリルを用いた。さらに,ジエチルアミンで修飾後,1,3-プロパンスルトンもしくは1,3-ジブロモプロパンおよび亜硫酸ナトリウムによるスルホ基の導入を試みた。

マイクロ波照射により逆相系分離に適するシリカおよび有機ポリマー系モノリスキャピラリーカラムを通常の熱重合時間を約1/20~1/100に短縮(最短時間は約10分であった)し,従来のin-situ熱重合法で調製されたモノリスキャピラリーカラムと比較して遜色のないレベルを達成した。但し,重合(カラム調製)時間は大幅に短縮できたものの,キャピラリーカラムの前処理には24時間の長時間を要している。

有機ポリマー系モノリスの調製に一般的にアクリルアミド系やメタクリル酸エステル系等のモノマーが良く使用される。そこで,マレイン酸系のモノマーを使用することにより,キャピラリーカラム管に前処理を施さず,カラムの調製にポロゲン(細孔形成剤)を使用しない,従来のカラムよりも調製手順が少ない,簡便かつ斬新なカラム調製法の開発を試みた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ポロゲンレス調製法(カラムの調製に前処理を施さず細孔形成剤を使用しないこと)によりカラムの調製時間を大幅に短縮できたが,反応モノマーの検討に必要となる試薬を入手できなかったこと,また,キャピラリーカラム内部の温度をはかることができないことからマイクロ波の照射効果およびカラムの分離性能に与える影響等を検討することが困難であった。

しかしながら,マイクロ波照射下で異なる重合時間で調製されたモノリスカラムの骨格の大きさと流路の大きさが比較したところ,重合時間11分では,骨格の大きさおよび流路の大きさが,重合時間12~15分のものと比べ大きいことが示されている。その結果,重合時間が11分のカラムは通液が可能であったのに対し,重合時間12~15分のカラムは通液できなかったとしている。重合時間についてはマイクロ波を照射することで大幅に時間を短縮できることが示されている。

また,酢酸でpHを5に調整した20%メタクリル酸-3-(トリメトキシシリル)プロピル(γ-MAPS)のエタノール溶液を用いた前処理について,80℃,出力200 Wで15分間マイクロ波照射し,窒素ガスで1時間乾燥させた場合と従来法(γ-MAPSを30分間通液後,24時間乾燥)で調製した場合,併せて恒温槽で80℃,15分間処理した場合とを比較した。その結果,マイクロ波を照射した場合および恒温槽で処理した場合には,従来法と比べ,陰イオンの保持時間の上昇ならびに分離性能の改善に繋がっていることが示されている。

Strategy for Future Research Activity

今後,マイクロ波加熱および反応の条件とモノリス骨格の構造および性能の関係を明らかにする予定である。具体的には,カラムの迅速調製を目指してカラムの前処理,重合時間の短縮および重合については明確なマイクロ波の効果を得ることである。前処理についても恒温槽内でシラン結合剤の反応を行った固定相よりもわずかに保持時間の増大が確認されたことから,分離カラムに与える影響についても検討する。

さらに,スルホベタイン型官能基の調製を目標として,ジエチルアミンをはじめとする化学修飾に取り組んでいく。また,調製されたモノリスキャピラリーカラムのイオン交換容量についても検討・計算していく。

Causes of Carryover

26年度に,マイクロ波支援による調製されたキャピラリーカラムの性能をイオン交換クロマトグラフィー法を用いて行ったところ,従来法と比べ陰イオンの保持時間の上昇及び分離性能の改善に繋がっていることが示されているが,化学修飾反応においてはマイクロ波の効果はみられなかったため,計画を変更し,マイクロ波の影響を受けやすい重合モノマーや架橋剤等を選定し,双性型固定相を調製することとしたため,未使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

このため,(1)性能をより精度良く評価するために,試料導入部は六方バルブを改良することによって組み立てる,(2)検出部は,非接触型電気伝導度検出器を用いる,(3)エポキシ基やクロロメチル基のような反応性の高い官能基を導入し,新規双性型固定相の調製を次年度に行うこととし,未使用額はその経費に充てることとしたい。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Polymer monolithic methacrylate base modified with tosylated-polyethylene glycol monomethyl ether as stationary phase for capillary liquid chromatography2015

    • Author(s)
      A. Rahayu, L. W. Lim, T. Takeuchi
    • Journal Title

      Talanta

      Volume: 134 Pages: 232-238

    • DOI

      10.1016/j.talanta.2014.10.060

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Development of Chemically Bonded Crown Ether Stationary Phases in Capillary Ion Chromatography2014

    • Author(s)
      L. W. Lim, K. Tokunaga, T. Takeuchi
    • Journal Title

      Chromatography

      Volume: 35 Pages: 95-101

    • DOI

      http://doi.org/10.15583/jpchrom.2014.012

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Preparation and Characterization of Long Alkyl Chain Methacrylate-Based Monolithic Column for Capillary Chromatography in Separation of Alkylbenzene Compound2014

    • Author(s)
      Hilma, A. Rahmah, F. Mairizki, R. Putri, R. Zein, E. Munaf, T. Takeuchi and L. W. Lim
    • Journal Title

      Asian J. Chem.

      Volume: 26 Pages: 3595-3599

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Eluent‑Induced Separation of Inorganic Cations in Capillary Liquid Chromatography with Contactless Conductivity Detector2014

    • Author(s)
      F. Earnestly, L. W. Lim, T. Takeuchi
    • Journal Title

      Chromatographia

      Volume: 77 Pages: 1539-1544

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2016-06-01  

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