2015 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞での膜界面における細胞外マトリックス分解反応と腫瘍細胞浸潤能の同時計測
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25810087
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
東海林 敦 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (90459850)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カテプシン B / ゼラチン / コラーゲンIV / 阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
表面プラズモン共鳴センサーを利用して、コラーゲン IV を基質とし、阻害剤によるカテプシン B 活性の阻害効果を評価する手法の検討を行った。実験条件を最適化することにより、CA-074、ロイペプチン、Z-FA-FMKの阻害定数 Ki を算出することが出来た。また、ペプチド基質であるZ-Phe-Arg-pNAを用いて得られた阻害定数 Ki 値との比較を行った。カテプシン B によるコラーゲン IV 分解反応では、ぺプチド基質とは異なり、カテプシン B のエンドペプチダーゼとエキソペプチダーゼ活性が関与する。この2つの活性はカテプシン B の立体構造変化に起因するものであり、エンドペプチダーゼとエキソペプチダーゼ活性のどちらを阻害するのかは、阻害剤とカテプシン B の複合体形式に基づいている。そのため、エンドペプチダーゼ活性により分解される Phe-Arg のジペプチドを用いた場合とでは、得られた Ki 値の序列が異なることが示された。本申請課題で開発したカテプシン B 阻害活性評価法は、簡便かつ迅速であるだけでなく、コラーゲン IV を基質として用いているため、生体内で生じるカテプシン B 阻害活性を強く反映しているものであると考えられる。 一方、より簡便な細胞外マトリックス分解反応を評価する手法の構築も検討した。細胞外マトリックスのモデルとしてゼラチンを基質として用いた手法であり、生体内で生じる細胞外マトリックス分解反応を in vitro で評価するするのに利用できるものと考えられる。リポソームをゼラチンゲルに封入した後、プロテアーゼを添加する。一定時間、静置した後、色素ナイルブルーを添加した。ゼラチン分解反応の進行に伴い、リポソームの脂質二分子膜内にナイルブルーが取り込まれるようになり、H会合体から単量体に解離することで著しい蛍光強度の増大が観測されるようになる。この手法で、カテプシンB 活性を評価することにも成功した。
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