2014 Fiscal Year Research-status Report
繰り返し構造の蛍光モニタリングによるがん及びアルツハイマー病診断法の開発
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25810090
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
糸山 美紀 福岡大学, 薬学部, 助教 (60549690)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蛍光モニタリング / テロメア / タウタンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病患者脳内ではタウタンパクの高度なリン酸化が起こっている。また、テロメアの構造は核酸塩基の繰り返しである。そこで、タウタンパクのリン酸化のモニタリング及びタウタンパクの分析を行うために、リン酸基の選択的分析法の開発を行った。リン酸基とアミンはイオンペアを形成することから、アミン性イオンペア試薬を用いたリン酸基含有化合物の選択的分析法を開発した。モデル化合物としてAMP、UMP、IMP、CMP、GMP、ADP、UDP、GDP、ATP、UTP、ITP、CTP及びGTPを分析対象とした。また本法は、フルオラスと呼ばれるフッ素-フッ素間にみられる特異的親和性を利用した。試料にフルオラス性のイオンペア試薬、フルオラス溶媒及び酢酸緩衝液を加えて、フルオラス液液抽出を行い、イオンペアを形成している分析対象の含まれるフルオラス層を取り出し、アンモニアを含むアセトニトリル水溶液にて逆抽出を行った。このときイオンペアと切断され非フルオラス層へ移行した分析対象物はHPLC-UV法にて分析することができた。テロメアやタウタンパクへの本法の適用は今後行っていく。本フルオラスイオンペア抽出法は、当初我々の目的としていたタウタンパク及びテロメアの蛍光モニタリング法とは異なっているが、有用な分析法と言える。 また、ピレン基をイオンペア試薬とし導入し、ピレン自身の発する蛍光(375 nm)より、ピレンが励起二量体を形成するときに発するエキシマー蛍光(475 nm)観測することはまだ出来ていないため、今後検討を続けて行く必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
想定していた研究結果が得られなかったため蛍光モニタリング法の開発は遅れている。しかし、他の方面からアプローチしたリン酸化タウタンパク及びテロメアの分析のためのフルオラスイオンペア抽出法による研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もリン酸化タウタンパク及びテロメアにピレン基を導入したモニタリング法を開発を行う。また、ヒスチジンタグがニッケルカラムにて分離できることなどを応用しの繰り返し構造を分析することも検討している。 またイメージング用試薬としてはローダミンに糖を結合させリン酸基をもつ試薬を合成し、タウタンパクやアミロイドベータの分析に応用していく。
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Causes of Carryover |
大学から支給された実験実習費により試薬を購入できたことにより、科研費からの支払額が減ったためH26年度分予算が余った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度までと同様、実験用の試薬や消耗品、分析機器のメンテナンス費等に充て、研究を遂行していく予定である。
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Research Products
(14 results)