2013 Fiscal Year Research-status Report
低環境負荷型アミド化反応のためのコアシェル型多孔質シリカ触媒の開発
Project/Area Number |
25810107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小村 賢一 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40377685)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メソポーラスシリカ / メソ多孔体 / シリカ |
Research Abstract |
平成25年度は、シリカビーズを用いたコアシェル型多孔質シリカ触媒の調製方法の確立を目的に検討を行った。これらの実験に先立ち、メソ多孔体の高次構造の影響や細孔の大きさの影響、表面シラノールの触媒作用について詳細な事前検討を行い、シリカという単純な材料が発現する触媒作用の解明に努めた。具体的には、触媒となるメソポーラスシリカの高次構造について、種々の高次構造体(異なる空間群を有するシリカ)を実際に作成し、パルミチン酸とヘキシルアミンとの直接的アミド化反応における触媒性能を通して確認した。また、最適な触媒性能を発現する細孔径および表面シラノールについても実験的に確認し非常学術的に興味深い知見を見出した。シリカビーズ作成については、研究計画にある通りシリカビーズ表面を酸性条件下、塩基性条件下、高温水蒸気条件下でそれぞれ処理した後に、シリカ源と界面活性剤を含む溶液中で水熱合成することで表面へのメソ多孔質シリカ層導入を試みた。具体的には、シリカビーズをあらかじめ塩酸や水酸化ナトリウム水溶液で処理し、表面にシラノール基を剥き出しにさせることで化学的にメソ多孔体層の形成を促す試みを行った。酸、塩基、水蒸気、最も効果的なのは塩基であった。現在は表面処理したシリカビーズを用いて表面へのメソ多孔質層の導入を検討している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シリカビーズを用いたコアシェル型多孔質シリカ触媒の調製方法の確立については、現在のところ表面処理および表面への多孔質シリカ層導入の試みを検討中である。特に水熱合成による表面への多孔質シリカ層の導入段階を見出す必要がある。すなわち、得られるビーズは、表面のシリカ層がすぐに剥離してしまい物理的・化学的強度が充分ではない。予備的な実験の結果、多孔質シリカの触媒性能はその高次的な構造に依存する事がないことを明らかにした。しかしながら細孔の大きさには独特な依存性を示す事を見出した。これら重要な2点の知見を含む触媒作用に関する内容な現在論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、計画書の通り、表面を親水的処理することでシリル化剤の導入による化学的な相互作用による表面へのメソ多孔質シリカ層の導入を試みる。シリル化剤の導入量および水熱合成時における原料組成比に注意して検討を行う。また、これが成功すれば地元企業と共同で鉄球の入ったシリカビーズによるコアシェル型多孔質シリカ触媒を作成し、反応へと応用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度は、国内旅費(研究発表)として10万円を計上していたが、研究代表者の共同研究先との研究費から今回の研究発表会の旅費を支払ったことから予算が余ってしまった。 次年度は、XRD回折装置の改善費へ充てることで適切に使用する計画である。
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