2015 Fiscal Year Annual Research Report
強酸イオン液体ハイブリッドによる次世代エネルギーのブレイクスルー
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25810109
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
北岡 賢 近畿大学, 工学部, 講師 (50457602)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イオン液体 / グリーンケミストリー / エネルギー効率化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シリカに強酸イオン液体を化学的に固定化した強酸イオン液体-シリカハイブリッドを用い、廃材に含まれるセルロースを原料として、次世代エネルギー(フルフラール、HMF)を生産する手法を開発するものである。26年度までに、強酸イオン液体-シリカハイブリッドの開発と、作成したイオン液体-シリカハイブリッドの酸触媒能評価、ならびに各種溶媒中での安定性の評価と強酸イオン液体-シリカハイブリッドをセルロースの次世代エネルギー変換反応へ展開し、化学吸着型ハイブリッドを用いることで、活性の低下無く、繰り返し反応が可能であることを明らかにしてきた。当該年度は、反応条件の最適化を行った。シリカゲルハイブリッドの最適量は、撹拌状態を維持できる最大量で効果的な反応が実現した。また、HMFの生成に適した反応温度は120-130℃であり、4時間の反応条件が最適であることが明らかとなった。これより低い温度では、反応が進むのに時間がかかり、また、収率も大幅に低下することが明らかとなった。これより高い温度では、収率の低下が認められ、HMFの分解が進むことが明らかとなった。また、反応(120-130℃)に加熱撹拌ではなく、内部型ソニケーターを用いた超音波照射を行うと、より低い温度(87℃)で目的物が得られることが明らかとなった。また、反応後にHMFをイオン液体から抽出する必要性があるが、その抽出溶媒として最も適当なのは酢酸エチルであることが明らかとなった。
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