2014 Fiscal Year Annual Research Report
垂直配向性リオトロピック液晶を用いたシリカナノ多孔膜の垂直配向誘起とその応用
Project/Area Number |
25810117
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原 光生 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10631971)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機・無機ハイブリッド / メソポーラス / 垂直配向 / リオトロピック液晶 / ゾルゲル法 / 液晶性ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
二年の研究期間を通して、垂直配向に適した分子設計によるナノポーラス金属酸化物材料の簡便な垂直配向制御手法を確立した。そして、このナノポーラス材料の色素増感太陽電池への応用も検討した。申請時はシリカ系に特化した内容であったが、より取扱いの困難なチタニア系においても手法を確立でき、当初の計画以上の進展があった。以下に詳細な概要を記載する。 最初に、液晶性を示すアゾベンゼン誘導体を側鎖に有するメタクリレートを疎水ブロック、オリゴエチレンオキシドを側鎖に有するメタクリレートを親水ブロックとして、二段階の原子移動ラジカル重合法にて両親媒性ジブロック共重合体を合成した。このジブロック共重合体はリオトロピック液晶性を示し、体積分率に依存して数十ナノメートル周期の相分離構造を形成した。また、このリオトロピック液晶相は、シリカあるいはチタニア系のゾル溶液からスピンキャスト法にて製膜した後に、熱アニール処理のみで基板面に対して垂直配向した。その後、膜からジブロック共重合体を除去することで、垂直配向ナノポーラス金属酸化物材料の調製も達成した。 このナノポーラス材料を色素増感太陽電池のチタニア電極へと応用した結果、垂直配向ナノポーラス構造を有しない従来の電極と比較して電池性能が向上し、垂直配向ナノポーラス構造が有用な可能性を見出した。 垂直配向ナノポーラス金属酸化物材料の調製法は、十年ほど前から報告されている。現在では、数十例の手法が存在するが、特殊な装置やプロセスを要する手法が多い。また、製膜可能なサイズにも制限があった。本研究にて確立した手法は、スピン塗布と熱処理のみで垂直配向ナノポーラス構造を調製でき、大面積にて簡便に調製できる点が有用である。ブロック共重合体の重合度によって細孔径や細孔間隔の制御も可能と期待でき、今後はプロセスのさらなる普遍性を視野に入れた研究へと展開していく。
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Research Products
(13 results)