2016 Fiscal Year Annual Research Report
The role of the terminal domains of Bombyx mori silk fibroin in the fiber formation process
Project/Area Number |
25810124
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
鈴木 悠 福井大学, テニュアトラック推進本部, 講師 (90600263)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 絹フィブロイン / 組換えタンパク質 / 大腸菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
家蚕絹フィブロインは、繊維化前の水溶液状態から常温常圧下において繊維化し、高強度・高弾性の繊維が形成されるという点で、合成高分子繊維に比べ環境負荷の低い繊維化メカニズムにより作製される。本研究では、家蚕絹フィブロインの末端ドメインに着目し、繊維化プロセスにおける末端ドメインの役割の検討を行った。家蚕絹フィブロイン末端ドメインの組換えタンパク質を得る為、大腸菌を用いたタンパク質発現系の構築を行った。 絹フィブロインH鎖のcDNAを入手し、そこからN末端ドメインDNA配列のみをPCRにより増幅し、pET28aプラスミドに挿入して目的DNA配列を有するプラスミドの構築に成功した。このプラスミドをプラスミド増幅用コンピテントセルE.coli DH5aに形質転換し、培養してプラスミドを増幅した。次に、プラスミドをタンパク質発現用コンピテントセルE.coli BL21(DE3)に形質転換し、目的タンパク質の発現を試みた。培地、培養時間、発現誘導時間、発現誘導試薬濃度、コンピテントセルの種類等を調整し、発現条件を検討した。培養液はHis-tag精製カラムで精製し、SDS-PAGE、一次抗体にHis-tag抗体を用いたウエスタンブロッティングで目的タンパク質の発現を評価したが、目的タンパク質の生産は確認されなかった。 現在、種類の異なるコンピテントセル、および無細胞系でのタンパク質発現を進めている。また、目的タンパク質配列のうち、N末端側21残基がシグナルペプチドであるという報告があること、C末端側(127~151残基)はフィブロインH鎖の繰り返し配列の間に存在する境界配列と類似しており、N末端ドメインの立体構造形成には関与しないと予想されることから、これら両末端残基を除いたSFNtタンパク質発現系の構築も進めている。
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Research Products
(3 results)