2015 Fiscal Year Annual Research Report
高Si含有Al合金のSi相凹凸表面創製機構とその表面の摩擦摩耗機構の解明
Project/Area Number |
25820034
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
宮島 敏郎 富山県立大学, 工学部, 講師 (60397239)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アルミニウム合金 / ウェットブラスト加工 / 微細凹凸 / 摩擦特性 / トライボロジー / 表面創製 / 物理エッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高Si含有Al合金(AC8A)に、ウェットブラスト加工を施すことで、Si相の突出または窪んだ部分が支配的な2種類のSi相凹凸表面を創製し、往復摩擦試験によりその表面の摩擦特性を考察した。まず、高Si含有Al合金(AC8A)のSi相凹凸表面創製のために、平均粒径1.2 μmのアルミナと純水が混合されたスラリーを投射して、Siウェーハと純Alの投射角度による加工深さの影響を明らかにした。その結果から投射角度を設定し、高Si含有Al合金の投射角度がSi相凹凸表面に及ぼす影響を考察し、エア圧力0.4 MPa、投射距離2 mm、投射回数20回まで加工を行った場合、投射角度30°では投射回数4回以上でSi相の突出した部分が支配的な表面を、投射角度90°では投射回数8回以上でSi相の窪んだ部分が支配的な表面を創製できることがわかった。また、投射距離がSi相凹凸表面に及ぼす影響を考察し、エア圧力0.4 MPa、投射回数20回で加工を行った場合、投射角度30°では投射距離2 mm~6 mmの範囲でSi相の突出した部分が支配的な表面を、投射角度90°では投射距離2 mm~6 mmの範囲でSi相の窪んだ部分が支配的な表面を創製できることがわかった。また、高Si含有Al合金(AC8A)の摩擦特性を向上させるためには、突出した部分が支配的な表面が効果的であることがわかった。さらに、Si相の突出高さが0.88 μm以上、突出部面積割合が9.5 %以上の表面では、試験開始初期にAl部分の摩耗が抑制され、摩擦係数が低く推移し、相手材にAlが移着せずに低摩擦を長く維持できることがわかった。
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Research Products
(4 results)