2013 Fiscal Year Research-status Report
ステレオインラインホログラフィ法を用いた固体粒子が渦核に与える影響の観察
Project/Area Number |
25820042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 洋介 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (80509521)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ステレオインラインホログラフィ法 / 総乗 / min-max filter |
Research Abstract |
本研究の目的は、「ステレオインラインホログラフィ法を用いた固体粒子が渦核に与える影響の観測」である。従来の低い奥行き位置精度に制限されるインラインホログラフィに対して、高い奥行き位置精度が可能なステレオインラインホログラフィ法を用いる。当該年度では、ステレオインラインホログラフィ法による3次元速度場計測システムの構築をおこなった。特に、ステレオインラインホログラフィ法で得られるホログラフィックパターンから構築された3次元の粒子群分布の再生像に生じるノイズを低減する方法について提案と検証をおこなった。具体的には、構築した再生像に対して、再帰的に領域分割し、各ステップごとでmin-max filterと総乗をおこなうことで、奥行き方向への伸びが低減される。まず、粒子伸びを約半分に低減する2波長再生法をステレオインラインホログラフィ法を組み合わせることで、再生像のノイズが粒子数が増えても常に約3dB低減されることを数値解析で検証した。しかしながら、依然として粒子伸びは残り、得られる再生像の光強度分布も小さくなった。そこで、2波長再生法の代わりに総乗を用いて粒子伸びを直接短縮した。この結果、粒子の短縮に成功したが、2つ以上の粒子が存在する場合は、粒子間に極端な光強度値の差が生じてしまい、結果的に大部分の粒子像が失われてしまった。このことを解消するために、構築した再生像に対して、再帰的に領域分割し、各ステップごとでmin-max filterと総乗をおこなうことで、上記問題が解消した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観測システムにおけるハードとソフトの構成要素のうち、最も問題となるソフト部分について解決方法を提示できたため、本研究はおおむね順調に進展していると言える。つまり、ソフト部分におけるホログラフィ法における奥行き方向への粒子伸びの問題は、構築した再生像に対して、再帰的に領域分割し、各ステップごとでmin-max filterと総乗をおこなうことで、奥行き方向への伸びが低減される方法で解決することが数値実験において提示できた。このことは、Gabor型のホログラフィ法において長年解決が困難であった、粒子群の再生像についての一定の解決方法となり、粒子測定に大きな波及効果が見込める。とくに、本研究の目的であるステレオインラインホログラフィ法を用いた固体粒子が渦核に与える影響の観測に用いる3次元ホログラフィックPIVの高精度化に繋がる。よって、当該年度の研究成果によって確実な進展が得られたことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、観測システムにおけるハードとソフトの構成要素のうち、ソフトについて一定の成果が得られたため、いよいよハード部分の構築をおこなう。本年度に導入が予定されている高速度カメラ2台を観測体積に対してマイクロ精度で位置合わせする固定具と調整治具の設計開発をおこなう。特に、これらの装置については前年度に導入されたNC工作機械と3次元座標測定機を組み合わせて用いることで、加工された部品の設計と加工との差について厳格に精度管理を実施することが期待できる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
観測システムのハードとソフトうち、ソフトを主に研究がすすんだため、ハードの支出が減少した。 次年度はハードの構築が主になるため、部品や消耗品の購入にあてる。
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