2014 Fiscal Year Research-status Report
分子気体力学にもとづく非定常な蒸発・凝縮流れの数理的研究
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25820046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲葉 匡司 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00648511)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分子気体力学 / 蒸発・凝縮 / Boltzmann方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
非定常な蒸発・凝縮現象は,工学上重要な物理現象のひとつである.気液界面から遠く離れた気体中において,蒸発・凝縮による気体の流れ,すなわち,蒸発・凝縮流れが誘起される.蒸発・凝縮流れは,界面の状態(界面表面温度・飽和蒸気密度等)や遠方の気体の巨視的物理量(密度・温度等)に依存し,それらが特定の関係を満たす場合に実現される.この関係は,流体力学の領域に対する境界条件を与えることから,個々の流体力学の問題を解く上で,基礎的かつ本質的に重要な知見となる.非定常な弱い蒸発・凝縮流れと界面および無限遠との状態をつなぐ特定の関係を見出す方法を確立し,これをもって流体工学の基礎と応用への貢献を目指すことが本研究の目的である. 平成26年度においては,平成25年度に完成させた気液界面において非定常な弱い蒸発・凝縮をともなうES-BGK Boltzmann方程式の半無限境界値問題を数値的に解くための方法論を,工学の応用上重要な多原子分子気体である水の場合に拡張し,大規模な数値解析を行い次の知見を得た.(1)非定常な流れの効果の大きさの尺度を表わすStrouhal数Shの増加にともない,界面における質量流束と界面の速度の位相・振幅のずれは増加してゆく.(2)界面の速度が0から正(負)の速度となる時,Sh=0の場合,すなわち,定常な流れの場合は瞬時に凝縮(蒸発) が生じるが,Sh≠0の場合は蒸発・凝縮が瞬時に切り替わらない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画のとおり,気液界面において非定常な弱い蒸発・凝縮をともなうES-BGK Boltzmann方程式の半無限境界値問題を数値的に解くための方法論を,工学の応用上重要な多原子分子気体である水の場合に拡張し,様々なStrouhal数(0<Sh<1)に関する大規模な数値解析を行った.本研究成果は次年度の研究計画の遂行のための基礎となる.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画のとおり,水やメタノールなど工学上重要な多原子分子気体に関して非定常な弱い蒸発・凝縮をともなうES-BGK Boltzmann方程式の半無限境界値問題に対する大規模な数値解析を行い,その数理的特徴を明らかにすることを目指す.
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Causes of Carryover |
研究成果発表のため,国内外旅費に充てる予定である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果発表のため,国内外旅費(国内2件,国外2件)に充てる予定である.
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Research Products
(2 results)