2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25820050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
菊地 謙次 東洋大学, 理工学部, 助教 (00553801)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロ流れ / 表面近傍 / PIV |
Research Abstract |
低摩擦性を持つ生体高分子材表面に、免疫的な干渉を除去する保護基を修飾することにより生体に優しい素材開発を目指し、本年度は流体工学的知見から開発素材表面の干渉について定量的に評価する手法構築を行った。また血球・タンパクの付着性や流れでの耐久性の評価手法を確立することで、血管内で低摩擦・免疫ステルス性に対し優れた生体材料を開発研究を行った。 生体材料と表面上の流れとの干渉を定量的に評価するため、表面における速度分布を計測し、表面近傍における速度勾配から摩擦抵抗を見積もる手法について構築した。表面に作用する摩擦を評価するために表面近傍の速度勾配を計測する必要があるが、その計測手法について共焦点マイクロPIVシステムを使用し、これまでの計測手法の約2倍の空間解像度の向上を達成し、表面における摩擦抵抗の見積もりに関しては約6%改善された。 低摩擦・免疫ステルス性に対し優れた生体材料を開発を目指し、本来生体材料には不向きなプラスチック剤に対し、成形後にリン脂質様膜を表面就職することで生体適合性を付加させる手法を、本研究の観察対象とするマイクロ流路に施し、その表面付着性について評価した。その結果、マイクロ流路等の微小流路に表面修飾を行う際には空気詰まりなどの影響から修飾されていない部位が生じることが多々生じるが、本手法では流路内壁が親水性となるためほぼ表面全域に対象となるリン脂質様膜を修飾することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画していた実験が順調に進行し、本年度目指していた壁面近傍の速度場計測手法の確立、摩擦抵抗の定量評価手法の確立や流路への生体適合性の付加に関して達成し、また来年度予定していた実験も進められていることから、当初の計画以上に本研究は進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画されていた実験の計測を進め、得られた成果について国際学会や学術論文への投稿等を積極的に行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験実施場所として、申請時には所属機関である東洋大学で行う予定であったが、実験場所として東北大学大学院工学研究科にて実験を行うことが出来るようになり、当初購入予定であった設備備品のうち顕微鏡対物レンズの購入を見送ったことによる、予算執行の変更があったためである。 実験計画は順調に進展しており、今後の研究発展を更に進めるために、本申請での計画した実験を更に実験回数を増加させ、統計量抽出へ注力していく。そのため、購入物品のうち実験消耗品の購入費を増額し、実験の質向上を努めていきたいと考えている。
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Research Products
(2 results)