2013 Fiscal Year Research-status Report
固体高分子燃料電池の液水輸送や相変化を考慮した非定常発電特性のモデリング
Project/Area Number |
25820058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
荒木 拓人 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (90378258)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 熱物質輸送 |
Research Abstract |
平成25年度の研究計画としては,Leverett 関数をベースに液水のキャピラリー輸送を考慮するモデルを非定常に拡張した.定常計算の場合は平衡含水量を求めれば良いため,凝縮・蒸発係数は互いの比が判れば十分であったが,非定常状態では,双方の有次元な値が必要である.それぞれの係数については,供給ガス湿度や電流密度を変化させ,液水の相変化を促した場合の実験結果をフィッティングした. さらに,Leverett 関数では接触角などは考慮するものの,液水の分布状態としては飽和度のみをパラメータとしている.しかしながらX 線CT による可視化解析などから,同じ液水飽和度にも関わらず含水方法によって液滴径や比表面積が大きく異なることが明らかになっており,それらを考慮したモデルを新たに作成する必要がある.具体的な改善の方向としては,液滴径が小さくGDL のカーボン繊維への接触面積比が大きい場合には,液水易動度を小さくすると同時に単位体積あたりの有効蒸発速度定数は大きい方向に変化させるよう,モデルを拡張した.その結果,実験的に得られた非定常応答に対しより近い応答を解析的に再現することに一部,成功している. 一方で,申請時には記述してなかったが,本年度に研究を進めている間に流路中の液水量を考慮する事の重要性に着目し,流路中の液水輸送に関する検討にも着手した.液水が流路中に存在するモードとしては,壁面にスラグ的に付着して輸送されるモード,液滴が転がるように移動するモード,ミストとして移動するモードが考えられるが,本年度では壁面に付着して移動するモードを検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定としていた,液滴直径を考慮したモデルの拡張は順調に進み,さらに申請時に言及の無い流路中の液滴モデルへの拡張にも着手しており,全体の研究の達成度としては順調に推移している.
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の予定通り26年度も新規モデルの開発を続けるが,25年は主に非発電状態やX線CTといったex-situの結果を主に用いてモデル化を進めたのに対し,26年度以降は実際の発電中の非定常応答に液滴径などをパラメータに採用した新規モデルを適用し,非定常応答との比較を行い,妥当性を検証しながらモデルのさらなる改良を行う.
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Research Products
(10 results)