2013 Fiscal Year Research-status Report
レーザー光を用いた燃料噴霧着火の物理的特性の解明と着火手法確立へのアプローチ
Project/Area Number |
25820062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
瀬尾 健彦 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00432526)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 熱機関 / レーザー着火 / 噴霧 / 液滴 / プラズマ |
Research Abstract |
本研究は,燃料噴霧中でのレーザー着火実験から燃料噴霧中でのレーザー着火手法の確立に向けた知見を得ること目的に行う.本年度では,噴霧特性やレーザー光の集光特性と着火特性を定量的に評価することを目的に研究を行った. 年度前半においては,着火実験システムを構築し,燃料噴霧液滴数密度がレーザー着火特性に与える影響の調査を行なった.その結果,噴霧液滴数密度が着火の契機となるプラズマの生成確率に大きな影響を及ぼすことはないことが分かった.しかし,着火確率は燃料噴霧液滴数密度の増加に伴い,下がっていくことが分かった.また,着火が可能なレーザー光エネルギーは気体を対象とした場合と比べ1/3程度まで下げることが可能であり,さらに多点で着火している例も確認することができた.今後の着火メカニズム解明により,低レーザー光エネルギーでの確実な多点着火が可能となるのではないかと考えられる. 年度後半においては,レンズの焦点距離を一定として噴霧中でのレーザー光集光位置を変えることで変化させることでレーザー光の集光特性がレーザー着火特性に与える影響の調査を行った.その結果,レーザー光が噴霧を透過する距離が長くなるほど確実な着火には大きなレーザー光エネルギーが必要となることが分かった.これは,プラズマを生成するに十分なエネルギー密度に達していない領域に噴霧が存在することによるMie散乱の影響やプラズマ自体の持つエネルギーが低くなっていることなどが考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザー光の空間プロファイルの影響の調査が行えていないが,ほぼ研究計画通りに進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
レーザー光の空間プロファイルの影響の調査が行えていない.噴霧液滴の存在によって,気体をターゲットとした場合に比べ格段に低エネルギーのレーザー光でプラズマが生成できること,さらに着火が可能であることが分かった.プラズマの生成確率はレーザー光による高エネルギー密度領域中にある燃料液滴の個数に依存すると考えられ,またプラズマの生成個数は着火確率に影響を与えると考えられる.今後,レーザー光のプロファイルを光学装置を用いて変えることで,高エネルギー密度領域の体積を変化させ,レーザー光の空間プロファイルが着火特性に与える影響の調査も行っていくことを考えている. また当初の研究計画通りに,燃料噴霧中におけるレーザー着火のメカニズムの解明にむけ,燃料噴霧液滴と生成されたプラズマおよび火炎核を同時に高速度ビデオカメラで撮影することにより得られた視覚的な情報を元に噴霧中における火炎核の生成メカニズムの解明を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
燃料の購入を考えていたが,光学機器の不具合により購入を見合わせた. 光学機器(狭帯域フィルタ)の購入資金の一部として使用する.
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