2014 Fiscal Year Annual Research Report
弾性大変形の受動的変形様相制御による弾性フィンガーグリッパの高機能化
Project/Area Number |
25820084
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 大樹 埼玉工業大学, 工学部, 講師 (60377819)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソフトメカニクス / フレキシブルメカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,弾性フィンガーの弾性大変形の変形様相を受動的に制御することにより小形化とソフトで安定した把持の両方を実現する高機能グリッパの最適設計を機構と制御の両面から検討し,その最適な変形様相制御条件を明らかにするとともに,開ループ系および閉ループ系における受動的変形様相制御の役割を明らかにすることである. 最終年度の研究実績は以下の3つである. 1.開ループ系における弾性フィンガーグリッパの小形化とソフトで安定な把持を両立する受動的変形様相制御の最適変形制御条件の解明のため,受動的変形制御要素の配置に関するパラメータスタディを行った.パラメータスタディの結果,グリッパの小形化,ソフトで安定した把持,およびそれらを両立する最適条件として,それぞれの目的に応じた異なる結果を得た. 2.フィードバック制御系を付加した閉ループ系における受動的変形様相制御の最適変形制御条件の解明のため,受動的変形制御要素の配置とフィードバック制御系に関するパラメータスタディを行った.パラメータスタディの結果,グリッパの小形化とフィードバック制御系の性能限界を超えるソフトで安定した把持を両立する最適変形制御条件の存在を確認した. 3.研究全体を通して得られた結果を比較し,受動的変形様相制御の役割について検討した.グリッパの小形化を目的とした制御は,弾性フィンガーの弾性大変形による把持力増大の効果を損なわずにフィンガー先端付近の剛性を増大させる役割を果たし,グリッパのソフトで安定した把持を目的とした制御は,対象物とのソフトな接触の後にフィンガー全体の剛性を増大させ,フィードバック制御系の負担を軽減する役割を果たすという知見を得た. 本研究は開ループ系および閉ループ系における受動的変形様相制御の役割を明確化するものであり,柔軟構造の機能的変形様相制御の基礎を築く上で大きな意義があると思われる.
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