2013 Fiscal Year Research-status Report
下肢麻痺者用装着型ロボットの歩行速度を向上するためのセンサ・制御システムの開発
Project/Area Number |
25820085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
香川 高弘 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30445457)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 装着型ロボット / 軌道計画 / マンマシンインタフェース |
Research Abstract |
本研究課題では,下肢麻痺者用の歩行補助ロボットの歩行速度を向上するシステムを開発することを目的とする.そのためには,ハードウェアや環境の制約の下でできるだけ速い歩行パターンを生成することと,ユーザと協調してスムーズに歩行するインタフェースを構築することが重要である.そこで本年度は,歩行軌道計算アルゴリズム開発と,マンマシンインタフェースのためのセンシング歩行器の開発を行った. 一つ目の成果は,最適軌道の計算アルゴリズムを開発したことである.歩行速度を限界まで上げるには,モータの角速度上限やつま先が地面と接触しないなどの制約条件を考慮する必要がある.制約条件を満たす軌道を計算するため,申請者は経由点付き躍度最小軌道に基づく最適軌道計画法を開発し,当初の目標である1km/hを超える1.3km/hの歩行速度を達成した.さらに,提案アルゴリズムの歩行パターンは,従来法と比較して消費電力を半分程度に低減できることを確かめた.軌道の計算時間は平均で0.2秒程度であり,歩幅や歩行速度を変更して歩行するには十分な速度である. 二つ目の成果は,脚と歩行器の運動を検出するセンサー歩行器の開発である.歩行器にレーザーレンジファインダを取り付け,歩行器と左右の脚の相対位置を正確に計測できることを確かめた.レーザレンジファインダのスキャンデータからユーザの脚の領域を切り出し,その相対位置情報から,歩行器の運動と脚のスイング動作を識別するアルゴリズムを開発した.脚と歩行器の運動をモーションキャプチャで計測した結果とレーザーレンジファインダによる計測結果を比較したところ,ほぼ一致した(決定係数0.999).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初の歩行速度の目標は1km/hであったが,軌道計算の方法を徹底的に見直して改良した結果,目標を超える1.31km/hで歩行でき,目標を上回る成果を得た.一方,センシング歩行器の開発では,歩行器と脚との位置を高い精度で計測できたが,ZMPの計測と評価まではまだ達成できていないため,早急に取り組む予定である.総合すると,本研究はおおむね順調に進展しているものと考えられる
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Strategy for Future Research Activity |
センシング歩行器の開発を進めて,ZMPの計測精度の評価を行う.また,軌道生成アルゴリズムにZMP信号による修正動作のモジュールを加える.加えて,修正動作をユーザに知らせる感覚フィードバックシステムを開発し,動作試験を実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入物品の変更等のため差額が生じた. 実験の被験者を増やすなどにより翌年度に使用する.
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Research Products
(8 results)