2013 Fiscal Year Research-status Report
機能安全を目的とした適応学習を用いた電動車いす操縦支援システム
Project/Area Number |
25820094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
黒住 亮太 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90457333)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 機能安全 / 電動車いす / OpenRTM / 福祉支援機器 |
Research Abstract |
機能安全を目的とした適応学習を用いた電動車いす操縦支援システムの構築を1年間にわたって進めてきた.平成25年4月から9月までは,IRSから貸与を受けたレーザレンジセンサを用いて,センサを揺動させることによる実環境での3次元障害物のデータ収集,また,2次元でのSLAMによる環境地図構築を行った.また,アルゴリズム構築について検討を行った.当初の想定通り,機能安全を担保するには複数のセンサ情報を総合的に評価し,また,安全を優先して状況に応じた対応が必要であり,複数のセンサと判断を行うアルゴリズムが多重に絡み合う複雑なシステムになるということから,ソフトウェアシステムの開発プラットフォームとしてオープンソースのロボットシステム開発ミドルウェアOpenRTM-aistを用いることに決定した.センサやアルゴリズムを一定のRTコンポーネントとして構築することで,それらを組み合わせたRTコンポーネント群として表現することでシステムの開発,改良がスムーズになると考えられる.平成25年10月~平成26年3月までは,これまで構築してきた適応学習アルゴリズム等を,OpenRTMへ移植し,本質安全を考慮したアイシン精機製の電動車いすを購入し,OpenRTMベースで,センサ,アルゴリズム,車椅子の走行系の動作確認を行った.申請当初は,センサ系を平成25年度に購入予定であったが,平成26年度に,より高性能の3次元測定レーザレンジセンサが発売されるなど,本研究で3D-SLAMを実現する上でより良いセンサを入手できる可能性があったため,平成26年度に予算を繰り越した.研究成果の途中経過は第14回公益社団法人計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会SI2013のオーガナイズドセッション「サービスロボットの安全化と関連安全技術者の育成」で報告を行い,安全に関する様々な質問とご意見をいただいた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請当初は,これまで開発を行っていた環境で,システムを構築する予定であったが,機能安全を考慮したシステムを開発する上で,複数のセンサと,様々な状況での安全を確保するための判断アルゴリズムをベースとした上で,これまで用いてきた適応学習アルゴリズムを実装する必要があると判断し,OpenRTM-aistを開発プラットフォームとして利用することを決定した.これまで研究で用いてきたアルゴリズムをOpenRTMに移植する作業のため,現状,研究の進行が予定よりやや遅れているが,移植が完了し,RTコンポーネントとしてシステムを構築できれば,システムの再構築や組み換えが容易となり,今後の研究開発の進行はスムーズになると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
OpenRTMによるシステムの要素ごとの検証を現在行っており,全ての評価を早急に進めて,今年度の計画である,走行実験および学習データ検証を進めたいと考えている. レーザレンジセンサ,眼電位センサ等は,開発が日進月歩で進んでおり,現有の貸与しているもので評価を行いながら,平成26年度中に購入し,システムに組み込みたいと考えている.OpenRTMを採用したことで,ハードウェアとソフトウェア間の連携が,多少ハードウェアの仕様が変わったとしてもRTコンポーネント内で吸収できるため,OpenRTMをプラットフォームにしたことのメリットが今後,システム改良等の進行速度の速さに活かすことができるのではないかと考える.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現状では,予算として計上していた電動車いすタオライトおよび,安価なセンサやマイクロプロセッサの購入を現在までに行っている.開発用PC,ゴーグル型眼電位インタフェース,レーザレンジセンサについては,現状これまで使用してきたもの,貸与しているものを用いて,OpenRTMによるシステム構築に注力を行ってきた.センサやプロセッサの開発は日進月歩であり,特にレーザレンジセンサについては平成26年度により3D-SLAMの構築に適したセンサが発売されるとの情報があり,平成26年度に購入を進め,システムを完成させる予定である. 平成25年度に購入を予定していた眼電位インタフェースはこれまで評価版であり,平成26年度正式販売の予定のである.また,3次元を測位する車椅子での3D-SLAMにより適したセンサも平成26年度発売予定であるため,平成25年から平成26年度に繰り越していた予算で購入する予定である.開発プラットフォームとしてOpenRTMを採用したため,新しいセンサを使用する場合も,それに対応したRTコンポーネントを利用することで,現行のセンサと置き換えて,迅速なシステム構築が可能であると考える.
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Research Products
(3 results)