2013 Fiscal Year Research-status Report
均一バリア放電を用いた空気原料オゾナイザにおけるNOxの発生抑制とオゾン収率向上
Project/Area Number |
25820111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
大澤 直樹 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (40454227)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 誘電体バリア放電 / オゾン生成 / 乾燥空気 / 副生成物 / 窒素酸化物 / FTIRによるガス分析 |
Research Abstract |
オゾンは強い酸化力を有しており,上下水道や室内空気の浄化などの分野で使用されている。オゾンの発生法は,発生効率の高いバリア放電法が主流であるが,空気を原料にしてオゾンを生成すると,生成されたオゾンガスには自然分解できない一酸化窒素(NO)や地球温暖化係数の高い亜酸化窒素(N2O)などの副生成物が含まれてしまう問題がある。したがって,これら副生成物の発生を抑制した空気原料オゾン発生器の開発が望ましい。 本研究の目的は,空間一様に発光するバリア放電を用いた空気原料オゾン発生器による窒素酸化物の発生抑制効果とオゾン生成効率を明らかにすることである。この研究目的の達成に向けて,平成25年度は次の研究を実施した。1. 長光路ガスセルを備えたフーリエ変換型赤外分光光度計(FTIR: Fourier Transform Infrared Spectroscopy)を用いて,空気原料オゾン発生器により生成されたオゾンガスに含まれる副生物の分析し,オゾンガス中の副生成物は,五酸化二窒素(N2O5),N2Oおよび硝酸(HNO3)であることを確認した。2. 生成されたオゾンガスの温度を250℃程度まで高くすると,熱分解のためオゾンガス中のN2O5の量が減少し,NOや二酸化窒素(NO2)になることを確認した。3. 生成されたオゾンガスの温度を250℃程度まで高くしてもN2Oの量はほとんど変わらないことを確認した。4. オゾンガス中のN2O濃度を評価すれば,放電装置からの熱の影響を受けることなくNOxの発生抑制効果を評価できることがわかった。5. 校正ガスを用いてN2Oの吸光度からN2Oの濃度を測定できるようにし,オゾンガス中のN2O濃度を定量評価できるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通り,長光路ガスセルとFTIRによるオゾンガス中の副生成物の分析と副生成物発生特性を解明できた。また,副生成物の発生抑制効果を定量評価するための指標を決定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,構築した副生成物の発生抑制効果評価法を用いて,ギャップの長さやガス圧力を変えたときのオゾン生成効率とN2Oの発生抑制効果への影響を実験的に明らかにしていく。また,得られた成果を国内外の学会で発表する。研究成果報告書を作成し提出する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
校正ガスの準備が可能なNO,NO2ならびにN2Oについて,定量評価法を構築する計画であった。今年度の研究活動により,1. 熱の影響を受けやすいNO2を直接的な性能評価指標とするのは不適切であること。2. NOはNO2熱分解により発生するため,NO2を直接的な性能評価指標とするのも不適切でること。3. N2Oは熱の影響を受けにくいため,N2Oを直接的な性能評価指標とするのは適切であることを明らかにできた。以上のことから理由は,性能評価のために購入すべき校正ガスの種類が減ったためである。 オゾン発生器の部品製作費用や乾燥空気などの消耗品購入費用として使用する。
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