2015 Fiscal Year Annual Research Report
注入同期高効率電力発振器の基礎理論の構築およびRF電源へのの応用
Project/Area Number |
25820112
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
魏 秀欽 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (80632009)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | RF電源 / 高周波 / 大電力 / 無線電力伝送 / 注入同期 / 位相縮約 / 安定化 |
Outline of Annual Research Achievements |
情報機器の高度化に伴って基地局用増幅器、無線電力伝送送信部などに用いられる、より高効率で高電力密度の増幅器が求められる。しかしながら、10MHz以上の高周波数において100W以上の高出力動作を達成する用途に対する研究開発が遅れており、このカテゴリーに対応するDC/AC変換回路の設計開発が求められている。電力発振器は無線通信や無線電力伝送の送信段で用いられるデバイスで、フィードバック構造を持ち自励発振する特徴を持つ。しかし、自励発振のため、その出力周波数の精度が低いという問題があり、実用化のためには周波数の安定性が欠かせない。 本研究では、通信用電力発振器に対し、周波数安定化・高効率化を低コストで実現する回路技術を提案した。自励式電力発振器の周波数安定化のために注入同期理論を用いることを基本コンセプトとし、さらに注入信号にスイッチ素子に生じる損失を削減のための回路設計技術を融合することにより、高効率化も併せて実現した。本技術が確立されることにより、周波数安定化を実現しつつ、従来の増幅器と比較して駆動回路が不要となり、結果として回路の実装コスト削減も達成することが可能になる。本研究における、同期注入電力発振器を物理系とみなした位相縮約アプローチと、エンジニアリングとしての設計技術を融合させることにより構築される設計理論は産業的にも学術的にも高い意義を持つ。この成果により、提案技術が多くの回路で採用されることも期待される。
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