2013 Fiscal Year Research-status Report
電磁界教育に有用な拡張現実感技術を利用した3次元電磁界可視化システムの開発
Project/Area Number |
25820116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
松友 真哉 新居浜工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (90413856)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 拡張現実感 / 電磁界可視化 / 電磁気学教育 / 電磁界解析 / コンピュータシミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、拡張現実感技術を利用した教育用の3次元電磁界可視化システムを提案し開発することを目的としている。電磁気学教育の場面において、初学者に電磁界をイメージさせることは重要な課題である。しかしながら、電磁界は直接目で見て観察できないため直感的に捉え難い。そこで本研究では、この課題を解決するための一手法として、拡張現実感技術を利用した3次元電磁界可視化システムを開発している。拡張現実感技術は、現実空間にコンピュータグラフィックスなどの情報を重ねて提示する技術として近年注目されており、その応用分野も広がってきている。他方で、コンピュータによる電磁界シミュレーション技術の高度化は顕著であり、電磁機器等の設計レベルでは不可欠なものとなっている。この研究では、これら個別に発展している技術を融合し、新たな発展の可能性を検討するものでもある。システム開発にあたっては、筆者らが先に開発に取り組んだ2次元電磁界可視化システムを3次元に拡張することを当初の目的として検討を行った。その結果、3次元での可視化システムの実現可能性が明確になりその成果を学会で発表し、初年度の目標は達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、「拡張現実感技術を利用した教育用の3次元電磁界可視化システム」の基礎開発を行った。目的としているシステムの開発には、(i)拡張現実感技術を利用する際の画像認識手法の選定と、(ii)電磁界をリアルタイムに計算するための計算手法の検討が不可欠である。初年度には、特にこれらの手法について個別に検討を行い、それらを融合させれば目的としている可視化システムが実現できることを検証し学会で発表を行った。これによって、初年度の目的はおおむね達成できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究成果から、磁性体を含む3次元磁界の可視化についての基礎検討は終えた。ここで明らかになった課題として、(1)携帯端末等での実行が可能な程度の高速化、(2)3次元での可視化事項の検討などが挙げられる。(1)については、現状では主にパソコン上での実行を想定し検証を行ってきたが、今後実用レベルでの利用を考えれば携帯端末等で利用者が気軽に導入できることが望ましい。よってその可能性を見据えた開発検討を行う。また、(2)については、現状のシステムでの可視化事項は主として磁束線のみであるため、今後更に利用者が直感的にイメージし易い可視化事項や可視化手法について検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度にシステムのソフト面であるプログラム開発及び採用アルゴリズムの選定に重点を置いて検討を行ったためである。すなわち、当初予定よりも前倒してソフト開発のための検討や調査に重点をおいた。これによって、当初予定していたハード面での機器の導入を翌年度に持ち越したためである。 該当年度は、3次元空間中に磁性体が存在する際の可視化システムの実行可能性についてさらに詳細に検証を行う。また、携帯端末等でのシステムの実行可能性についての検証も行う。このため、次年度研究費については、携帯端末の購入や計算サーバの購入、3次元可視化装置の購入、更に成果発表のための学会参加費等に使用する。
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