2013 Fiscal Year Research-status Report
高い性能指数を持つ磁性フォトニック結晶の開発と3次元ディスプレイへの応用
Project/Area Number |
25820124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
高木 宏幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (40390463)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電気・電子材料 / 磁性フォトニック結晶 |
Research Abstract |
本研究は,人間の立体知覚に矛盾しないリアルな3次元画像が得られる広視野角フルパララックス電子ホログラフィディスプレイの実現を目的としている.そのために,ディスプレイ表示材料として,磁性フォトニック結晶構造をベースとした4階調(従来の2倍,リアルな3Dホログラム像を表示するのに必要最低の値)かつ,3D像の明るさやコントラストに影響する性能指数θ√(%T)が従来の17倍(透明磁性体単層膜の2倍程度)の材料を開発している.上記で開発する革新的性能を有するディスプレイ材料を用いた超高密度・超多画素・超高速のリアル3D電子ホログラフィディスプレイ(3D-MOSLM)を世界に先駆け開発することを目標とする. 初年度の目標は,(1)多階調変調および(2)高性能指数を持つ透明磁性体材料の開発,2年目は上記材料を磁性フォトニック結晶構造として(3)さらに高い性能指数を持つ磁性体材料の開発であった.今年度の成果として,(1)マルチキャビティMPC構造の設計を行い,知財の出願を行った.また並列して光学的に多階調を達成する方法を検討した.具体的には1 um□のピクセルを4分割することで,4階調を得る事を目的とした.このため,レーザーの集光およびエネルギーを調整することで,700 nmのピクセルの形成条件を見いだした.これは1.4 um□のピクセルの場合は4階調表示できることを意味する.本研究テーマは2年目に継続して実施することとした.(2)GIG単層膜(1 um膜厚)によって性能指数38の膜が得られており目標を達成したものといえる.また,(3)を専攻して研究しYIG-MPC構造で8.6 mW/cm2の532 nm光源で最終目標とするディスプレイのISO基準100 cd/m2の輝度を持つ立体像再生を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述した通り,初年度の目標は,(1)多階調変調および(2)高性能指数を持つ透明磁性体材料の開発,2年目は上記材料を磁性フォトニック結晶構造として(3)さらに高い性能指数を持つ磁性体材料の開発であった.(2)および(3)共に目標を達成している.特に(3)に関しては来年度分も先行して検討を行っている.一方(1)に関しては,構造の設計およびピクセルサイズが1.4 um□の場合に4階調表現ができるものであり,ピクセルサイズは大きい.したがって,今年度の評価としてはおおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は単層膜で高い性能指数を持つ材料と,MPC構造の基礎特性を評価した.今年度は下記を目標に検討する. (1) 高い性能指数を持つMPC構造の作成と特性評価 初年度で高い性能指数を持つGIG単層膜の作成と,MPC構造の検討を行った.今年度は,MPCの欠陥層にGIG単層膜を導入し更なる高い性能指数を持つ表示媒体の開発を行う.具体的には,8 mW/cm2のレーザーでISO基準の100 cd/m2を表示出来る材料開発を行い,高輝度を保ちつつ低消費電力化を達成する.また,初年度の研究成果として,MPCの波長依存性(光学膜厚依存性)から,角度選択性をもち大きな角度の場合に輝度が低減することが実験結果から実証された.マルチキャビティMPC構造を用いる事で,例えば小さな角度用の欠陥層と大きな角度用の欠陥層を二つ持つMPCを形成することで,大きな角度でも輝度が低減しない材料開発を行う予定である. (2) 多階調表示化 初年度で光学的および構造的に多階調化できることを実証した.上半期で両方法での特性をまとめ,ディスプレイとして実用化するのに適した方法を決定する.その後,(1)の成果と共に表示材料を確定させ,研究課題[3]リアル3D電子ホログラフィディスプレイの開発を進める予定である.
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