2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規手法による配向性チタン酸バリウム膜の形成機構と配向制御技術に関する研究
Project/Area Number |
25820130
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Research Institution | Toyama Industrial Technology Center, |
Principal Investigator |
坂井 雄一 富山県工業技術センター, その他部局等, 研究員 (70416155)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 配向性厚膜 / スクリーン印刷 / 強誘電体 / 圧電体 |
Outline of Annual Research Achievements |
スクリーン印刷と熱処理を繰り返すだけで配向性BaTiO3膜を形成する手法について検討してきた。この手法では、格子整合層が不要かつパターニングが容易という長所がある。本研究では、その配向のメカニズムを明らかにし、分極軸方向であるc軸方位に制御することや、類似構造の組成系へ適用することを目的としている。 昨年度まで、六方晶BaTiO3を添加するとともにチタン酸バリウムよりも熱膨張係数の大きい基板、小さい基板を用いることでそれぞれ、c軸、a軸に優先配向することが確認された。厚膜ではバルクセラミックスほど緻密な膜が形成できないため、バルクの特性に及ばないことが多いが、本手法を適用することで、c軸優先配向膜が得られ、強誘電性の指標である残留分極値は、バルクセラミックスの残留分極値Pr=10.9μC/cm2と遜色ない値Pr=10.8μC/cm2が得られた。 最終年度は、チタン酸バリウムのAサイト、Bサイトを部分的に置換した系での配向膜形成を試みた。通常、Bサイトの一部をZrで置換した系では特性が向上することが知られているが、温度安定性が悪化する。そこで、温度安定性の向上をもたらすことが期待されるAサイトのCa置換も同時に行い、特性の向上と温度安定性の両立を目指した系での配向性厚膜の形成を試みた。その結果、c軸配向優位な厚膜が得られ、バルクセラミックスで得られたPr=11.0μC/cm2を超えるPr=14.9μC/cm2が得られ、温度安定性も良好であった。さらに、チタン酸バリウムよりもキュリー温度の高いアルカリナイオベート系材料への適用も試みた。c軸配向優位の厚膜が得られることを確認した。今後、代表的な非鉛系圧電材料である(Bi,Na)TiO3-BaTiO3系材料への本手法の適用を検討する。
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Research Products
(4 results)