2013 Fiscal Year Research-status Report
生体用内視鏡のための低電圧静電駆動型マイクロ三次元光スキャナ
Project/Area Number |
25820132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 敬 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60633394)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロミラー / 焦点可変ミラー / 共振 |
Research Abstract |
平成25年度はマイクロ三次元光スキャナの光軸方向光走査素子となる低電圧型の焦点可変ミラーの研究に取り組んだ。低電圧化のため共振駆動方式の焦点可変ミラーを提案し、その機械特性および光学特性を評価し原理の検証を行った。 (1)振動振幅の評価: 直径1mm、厚さ2μmの静電駆動型の焦点可変ミラーを単結晶シリコンを用いて製作した。ミラーの基本モード付近の周波数の電圧を印加し加振した。真空度が数Paの環境下で従来の直流駆動方式の150倍程度、振幅が増大した。直流駆動方式よりも低い電圧で大きな変形量が得られることがわかった。 (2)集光特性の評価: 振幅が増大した状態でレーザーの集光動作が可能であるか検証した。レーザースポット評価装置を構築し、ミラーから反射したレーザーのある瞬間のスポットを評価した。ミラーの振動振幅が大きくなると集光スポットの理論直径からのずれが大きくなる結果が得られた。振動振幅が大きいときスポット径は大きくなるが集光動作は可能であることがわかった。 (3)振動変形形状の最適化: 高い集光性能もつ焦点可変ミラーを実現するためには数百nm以下の精度を持つ振動変形形状が要求される。ミラーの支持部の構造が異なる2種類のデバイスを製作し評価した。外枠にミラー周辺がすべてつながった構造よりも一部分がつながった構造を持つ焦点可変ミラーが集光に適した放物面に近い変形形状となる結果が得られた。提案した変形の解析モデルの計算と結果が良く合い、理論面からも理想変形形状に近づけるための設計指針をつかめた。 (4)共焦点光計測への応用: 実際の光学測定に共振駆動方式の焦点可変ミラーが使用可能であるかを実験的に検証した。焦点可変ミラーを用いた共焦点光学系を構築し深さ方向測定を行った。サンプルの位置を移動すると信号のピークもそれに伴い移動する結果が得られた。深さ方向測定が可能であることもわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の計画は低電圧駆動の焦点可変ミラーの提案および原理検証のための評価であった。具体的には焦点可変ミラーの製作と、真空度と焦点可変ミラーの振幅拡大率の評価、集光に適した変形形状をもつ焦点可変ミラーの設計および共焦点光計測装置を用いた焦点可変ミラーの評価である。ミラーの詳細な設計を行うための基礎的なデータを取得できており計画通りの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに共振駆動型の焦点可変ミラーの原理検証のため、直径1mm、厚さ2μmのデバイスを製作し評価している。このデータをもとにして、より実際の応用に近い形のデバイスの共振周波数や直径、厚みの設計を行い、評価する。これらの結果をもとにして、共振型焦点可変ミラーをスキャナに組み込んだマイクロ三次元光スキャナの研究に取り組む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成26年度請求額と合わせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。 次年度使用額はデバイス評価の際に必要となる光学部品の購入に使用する予定である。
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