2013 Fiscal Year Research-status Report
エネルギー局在現象の制御とナノテクノロジーへの応用
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25820164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
木村 真之 滋賀県立大学, 工学部, 助教 (00551376)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非線形理論・回路 / エネルギー局在現象 / 結合振動子系 |
Research Abstract |
本研究は,エネルギー局在現象(空間局在モード)の制御を目指したものである.平成25年度は,パラメトリック励振を用いた空間局在モードの不安定化に関する基礎的実験と移動型空間局在モードの制御・移動に関する数値シミュレーションを行った. 1. パラメトリック励振による空間局在モードの不安定化について 前課題(若手(B) No. 22760280) で作製済みの電磁機械系において,各振動子の復元力を生成する電磁石の電流を時間周期的に変調することで,空間局在モードが不安定化することを確認した.しかしながら,局在を保ったまま移動する現象は未だ確認できていない. 2. 空間局在モードの制御・移動に関する数値シミュレーションについて 空間局在モードの中心位置を制御対象とし,系のパラメータの勾配を調整することでフィードバック制御が可能であることを数値的に示した.特に,単振り子に対するPD(比例微分)制御の挙動とよく似ていることを示し,新たな制御則構築のための知見を得ることが出来た.また,移動型空間局在モードが,異なる2つの結合振動子系の接合部において,反射や透過を起こすことを示し,それらの現象の切り替わりが空間局在モードの移動エネルギーに依存することを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電磁機械系を用いた実験において,パラメトリック励振のおける不安定化の確認は達成したものの,移動を生じさせることは出来なかった.これは,系のパラメータに依存して変化する「空間局在モードの移動し易さ」が予想よりも低く,作製した装置では移動を起こすのに充分な擾乱を与えることが出来ないためであると考えられる.このため,さらなる実験機器の改良が必要となり,計画よりもやや遅れる結果となった. しかしながら,数値的な研究については,フィードバック制御に関する知見が得られ,また移動型空間局在モードの挙動に関する興味深い結果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度における課題を克服すべく,実験装置の改良に取り組む.また,空間局在モードのフィードバック制御の実現に向けた改良も検討する.一方で,空間局在モードの生成法に関する数値検討は予定通り取り組む.さらに,移動型空間局在モードの挙動に関する数値的検討を進め,空間局在モードの応用可能性を検討していく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電磁機械系を用いた実験が当初の予定通り進まなかったため,平成26年度に予定していた空間局在モードの制御に関する実験装置の改良を,平成25年度から平成26年度へ延期した.そのため,装置購入に充てる予定の助成金が平成26年度へ繰り越されることとなった. 平成26年度は装置改良のために,計測部品や制御用コンピュータの購入を予定している.また,実験に伴う消耗品の購入,および成果発表のための旅費に助成金を充てる予定である.
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